フランス女性に見る、人生の最高の楽しみ方 ドラ・トーザンさんの待望の新刊「ママより女」

「母より妻、妻より女のフランス」だとすれば、「女より妻、妻より母の日本」という、女性のライフスタイルに対する価値観が対照的なお国柄のフランスと日本。

photo:©Akira Ota

先ごろフランス国内で発表された2010年の出産率は、2.01、婚外婚は54.8％にも上る。この数値からもわかる通り、フランス人は結婚はあまりしないけれど、子どもをつくる。フランスの女性は仕事をするが、子どももつくる。一方の日本人女性は結婚して主婦になる率が高いにもかかわらず、出生率はとても低いのが現状。こんな両国のパラドックスを垣間見た国際ジャーナリストでエッセイストのドラ・トーザンさんが、フランス人女性の過去40年間のフランス社会での地位の変化を中心に、日本人女性との比較を交えたエッセイを一冊にまとめた。

本書「ママより女〜母より妻、妻より女のフランス 女より妻、妻より母の日本〜」には、「『私は中絶しました』とカミングアウトしたカトリーヌ・ドヌーヴ」や「サルコジ大統領とロワイヤル女子に見るカップルの典型」といったエピソードをはじめ、「産みたいときに産む〜選択の自由を手にした女性」、「フランスには『ワークライフバランス』という言葉はないけどバランス上手」など、この40年の間にフランス社会に生きる女性たちに起こったライフスタイルの変化や生活の実情がリアルに描き出されている。

フランス人女性たちは、母になっても、妻になっても、ビジネスウーマンになっても、年をとらずにずっと女性らしさを持ち続けている。その姿は、仕事、出産、育児、そして人生を通した「私」としての生き方に、日々悩みながら、闘い続けている日本の女性たちに勇気とエールを与えてくれる。仕事とプライベートの両立の難しさから、気がつけば、いつの間にか会社のデスクでいかり肩になってしまっているというあなた、ぜひ本書を手にして、日本とフランスのかけ橋となるドラさんの「ママより女」という言葉から発せられるメッセージを受け取ってみて。


■「ママより女〜母より妻、妻より女のフランス 女より妻、妻より母の日本〜」
ドラ・トーザン 著
￥ 1,260（税込み／出版社 小学館）