20〜30代の独身女性の彼氏がいない確率が50%を超える今。いつの間にやら少数派になった彼氏持ちの女性の中には、彼氏はいるもののセカンドポジションのまま、いつまでたってもファースト(本命)になれない女性たちがいます。彼女たちが本命になれない原因は何なのでしょうか……。彼女たちの過去の恋愛から、その原因を探っていきます。

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今回お話を伺ったのは、都内の広告代理店で働いている高村あいさん(仮名・30歳)。肩まである黒のストレートボブに、チークやアイシャドウなどの色味を一切感じないナチュラルメイクとおとなしめな印象。服装は淡い黄色のカーディガンにジーンズを履いています。バッグはオフィスで使用できそうな黒のミニボストンを持っており、足元のスニーカーとのややアンバランスさを感じました。全体的におとなしそうな印象のあるあいさんですが、そんな彼女のセカンド気質はどこにあるのか――。生い立ちや、学生時代の恋愛から話を伺っていきます。

「出身は愛知県で、両親と2歳と3歳下に弟がいる5人家族です。父親は普通のサラリーマンで、母親はパート主婦です。家族仲は昔から良かったですよ。でも父親が祖父母と折り合いが悪くて、親戚付き合いがまるでありませんでしたね。父親は長男で、兄弟らしきおじさんやおばさんがよく家に来ていた記憶があります。その人達を一度も紹介されたことがないし、小さい頃の記憶なのできっと叔父や叔母だったんじゃないかなって感じです。その人達が家に来た時はいつもは優しい父親がピリピリしていて、怖かった記憶が残っています」

初めて彼氏ができたのはいつですか?

「大学に入ってからですね。中学、高校はバスケ部で部活一色でした。地元はそこまで田舎じゃなかったんですが、ほとんどの時間をジャージで過ごすような子でしたね。体育館で部活をしていたのに、日焼けケアをまったくしなかったせいか真っ黒でしたから。高校では2年生の時に同じクラスの同じ委員になった子のことを好きになったんですが、何もしないまま友達で終わっちゃいましたね。

始めての彼氏は、大学で友人になった人で、実家も近所で高校まで同じバスケ部だったこともあり、意気投合しました。彼には私から告白して、2年ほどあった友達関係から抜け出せた感じです。彼の浮気で別れるまで1年ぐらいしか付き合っていなかったけど、いい思い出で残っていますよ。今でも地元で時々飲み会があるんですが、すっかり普通の友人の仲に戻れています」

大学卒業後は地元で金融機関に就職。職場の人に連れて行ってもらった合コンで、1人の男性と出会います。

「仕事は窓口業務を行なっていたんですが、お客さまと密にやりとりをすることが多くて、ストレスはそれなりにありました。でも、社内の人はみんな優しくて、仕事環境は良かったです。そこで2歳上の女性と仲良くなり、その人が主催の合コンに連れて行ってもらったんです。

合コンには大手企業のサラリーマンがいて、1人の男性と仲良くなったんです。彼は4歳上のスラッとした長身のイケメンで、黙っていても女の子が寄ってきそうなタイプなのに、みんなを盛り上げようとしているところが好印象でしたね。仲良くなったのは、たまたま隣だったからだと思います。2回目の席替えの時に離れてしまったんですが、帰り際に彼から連絡先を聞いてきてくれました。

そこから何度かメールのやりとりをして、最初は会社の先輩と彼の友人を入れた4人で、2回目は2人でという段階を踏んで、3回目に会った時に付き合おうかという話になりました。まさか付き合えると思っていなかったので、嬉しかったですよ」

仲良しだと思っていた先輩と彼氏の裏切りが発覚……

彼とは順調に進んでいると思っていた矢先、彼の浮気が発覚。しかも相手は……。

「私の会社の先輩と浮気していました。合コンに誘ってくれた2歳上の先輩とです。彼の家の近所のスーパーに、普段着で仲良く買い物をする2人と鉢合わせたんです……。すぐに3人で話し合いをして、私と付き合う前に2人は付き合っていて、そこからずっとたまに会うみたいな関係が続いていたみたいです。すっかり人間不信になりましたよ」

その後、あいさんは体調を崩し、会社を退職。しばらくの充電期間を挟み、東京で再就職を果たします。

「仲良くしていた先輩に裏切られたことや、彼氏と別れたことでメンタルをやられて、眠れなくなったんです。それにご飯をあまり食べられなくなってしまって……。出社はしていたんですが、とてもじゃないけど窓口で笑顔なんてできないんですよ。その先輩は私より社内で人望があったこともあり、私は完全に孤立。実家だったこともあり、どんどん痩せていく娘を不憫に思ったのか、会社を辞めろと両親から言われました。親からの発言で、自分の意思でリタイヤしたんじゃないと思うことができ、少し気分は救われました。

しばらくは近所のコンビニでアルバイトをして、体調復帰に努めました。そしてその後、再就職のために東京に出たんです。その職場で好きな人ができて、恋愛できるまで自分が復活していることにホッとしたんです。彼は私を大切にしてくれました。社内で仲良くできるのは彼だけという環境の中、自分でもわかるくらい彼に依存してしまいました」

充電期間にはメンタルクリニックで睡眠導入剤を処方されたことも。服用していることは地元の友達にさえ言えなかったと言う。

面倒くさいはずの私を放っておかないのは、大切にされているからだと信じていた……。でも、その実態は!?〜その2〜に続きます。