ミシェル・オバマ(Michelle Obama) photo : Getty Images

バラク・オバマ元大統領が退任後も、チャリティ活動や講演で活躍しているミシェル・オバマ元大統領夫人。講演会で大統領夫人時代に受けた人種差別について語った。

ミシェル・オバマ元大統領夫人は、今週初めに開催された女性団体「Women's Foundation of Colorado」の30周年記念イベントに登場した。ご存知の通り、バラク・オバマ元大統領はアメリカで初めてのアフリカ系アメリカ人の大統領。オバマ夫妻は人種というガラスの天井を打ち破ったことになるけれど、司会者はこれについてミシェル夫人に質問。ガラスの天井を破った後、落ちてきた破片で受けた一番大きな傷は何? と聞かれたミシェル夫人は「私を一番深く傷つけたのは、傷つけようと意図した破片です」と回答。

「この国のために8年間本当に一生懸命働いてきたことを知っていて、まだ私そのものを見ようとしない人がいる。私の肌の色のせいで」というミシェル夫人。講演ではアフリカ系であることから「猿」と呼ばれたことにも触れ「女性の皆さん、私たちは傷つけられているということにすら気がつかず、それらの傷を耐えているのです。私たちは小さな傷を作って生きている。私たちは毎日血を流しているのです。そしてそれでも立ち上がるのです」と語った。

大統領夫人に対しても侮蔑的な言葉が投げつけられることに、人種差別の根深さが表れていると言えそう。現実を隠さずに語ったミシェル夫人の言葉をしっかり受け止めたい。

text : Yoko Nagasaka