シェアハウスってなんとなく憧れる...

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「テラスハウス」(フジテレビ系)などのヒットで注目度がアップした「シェアハウス」や「ルームシェア」――。新しい出会いが増えるライフスタイルには、やはり憧れる人は多いようです。

「ひつじ不動産」の発表によるとシェアハウスに関する問い合わせは、2013年は12万5000件でしたが、2016年には21万6000件になっています。ユーザーの多くは20〜30代の女性で、自分らしい暮らしの選択肢の1つになってきているとか。

1つ屋根の下で他人と過ごす生活にはなんとなく憧れを持ってしまいますが、実際にはトラブルも多そうですよね。そこで、今回は実際にルームシェアを経験した人に話を聞いてみました。

他人と生活して、人間関係のトラブルってないの?

最初に体験談を聞かせてくれたのは、20代のYさん。彼女は学生時代、女性専用のシェアハウスに2年間住んでいました。シェアハウスへの入居を決めたきっかけは......。

「1番大きかったのは、経済的なメリットと便利さです。冷蔵庫や電子レンジ、炊飯器、洗濯機など、家電はすべて備えつけのものが利用できたので初期費用が掛からないし、光熱費も家賃に含まれていたのでお金の管理も簡単なので」

Yさんは手っ取り早く実家を出たいという人にはおすすめだと言います。確かに1人暮らしを始めるとなると、初期費用がかさみますが、家電が備え付けられているなら初期費用をかなり抑えられますね。

ただ、やはり気になるのはプライバシーの面。そのあたりはどうなのでしょうか?

「住んでいたのは1人部屋だったので部屋に戻れば、プライベートな空間・時間が保てます。でも、キッチンやリビングは共用。トイレやシャワールームも共用スペースにあるので、誰とも会いたくない気分のときは辛いかもしれません」

また人間関係のトラブルについても同様で、価値観の違いで意見がぶつかることはしばしば......。

Yさんがイライラしていたのは、"洗面台に残った髪の毛を取り除かない人"。

「はじめの方は、見るたびにイライラが募り、本人に直接言うべきかとも考えましたが、揉め事になると居心地が悪くなりそうでなんとなく言えずじまい。ある時から"自分が使うときに片付ければいいか"と思うようになりました。妥協できるところは妥協して、"あの人とは価値観が違う"と割り切るのが一番だと思います」

なるほど。そうやって生活していると、他人に対してかなり寛容になりそうです。現在は1人暮らしをしているYさんですが、シェアハウスでの生活を振り返ってもらいました。

「当時は学生だったこともあって、友人が部屋にいれば、一緒に話したり、映画を観たり、一緒に料理を作ったりとできることがたくさんあったので楽しく充実していました。不満もありましたが、自分と違った価値観を持つ人の生活を見ることなんてそうそうないし、経験して良かったです」

一度やってみたい? 友人とのルームシェアの実際

次に体験を語ってくれたのは、アパートの1室を友人と2人でシェアしていたというKさん(30代)。成り行きで始まったルームシェアだったそうですが、生活は結構大変だったようです。

「家賃や光熱費、インターネット代など、毎月自分たちで計算して割り勘にしていたので、かなり面倒でした。私たちの場合、どちらが立て替えるか決めていなかったのが問題でした。気づいた方が立て替えていましたが、仕事などで忙しいときはコミュニケーションが取れなかったりして長期間立て替えっぱなしということも......。今から思えば、負担が大きかったかも」

このほかにもゴミ出しや掃除など、細かいルールを決めなかったことでどちらかに負担が偏ってしまうということがあり、お互いに不満を持った状態になってしまった、と話します。前述のYさんが住んでいたシェアハウスとは違って、個人間でのルール作りが重要ですね。

プライバシーについては、部屋が2つに分かれていたのである程度保つことができたとしつつも、「話し声は相手の部屋まで聞こえます。あまり聞かれたくない恋人や家族との電話は相手が外出しているときに済ませるようにしていました。来客も極力ないようにして、こちらが出かけることが多かったです」

Kさんはその後、友人の転職を機にシェア関係を解消したそうです。シェアハウスと違って、友人とのルームシェアは"親しき仲にも礼儀あり"で、いろいろ気を使うことが多そうです。

なんとなく憧れてしまう"他人との共同生活"、「1度くらい挑戦してみたい」という人は経験者の意見も参考に!