女たるもの、夏はビキニにならなくちゃ!

心の奥底に澱のように溜まるもやもやを、上から目線でセラピっていく「女のもやもやセラピー」。今回のテーマは「独身OLと水着」です。

18日、九州東海地方に梅雨明け宣言。関東地方も猛暑に見舞われ、テレビでは海遊びをしている人たちの映像が流れていました。でも、そこに映されるのは子どもとそのお父さん、そして20代の「ウェーイ!」とハジけた男性グループばかり。女性の姿はありません。

水着の女性の映像は、ややもするとニュースらしからぬ深夜番組的な様相を醸しかねないので、あえての選択なのかもしれませんが、実際のところ、日帰りで海水浴に行く独身OLはそう多くありません。

「この年になって、海でナンパしてくる男と出会ってもしょーもない」(メーカー勤務・28歳)と、海水浴=ナンパ場と思っている女性もおり、結婚を視野に入れた恋愛を求めるアラサー独身OLにとって、「ウェーイ」な男性は魅力がないのかもしれません。でも、合コンとおんなじで、わらしべ長者のように、最後の最後にいいものとつながっている人との出会いもあるかと思うんですけどねー。日焼けする、暑い、メーク崩れる、潮で髪がバサバサになる、というイマイチなビューティー環境を越える魅力が、もはや海にはないんでしょうか。

アラサー独身OL30人に今年は水着を着ますか? という質問をしてみたところ、予定ありの人は5人。なんと2割に及びませんでした。

サーフカルチャーに片足を突っ込んでいたり、ダイビングやシュノーケルなどのマリンアクティビティーが好きだったりという一群以外は、「気がつけば何年も水着を着ていない」というアラサーアラフォーが圧倒的なのです。「最後に水着を買ったのは大学生時代、卒業ハワイ旅行のとき」(金融会社勤務・29歳)という人もいました。

いつから日本の独身OLに、こんなに水着を着ない文化が根付いてしまったのでしょう。

女性誌でも、ある年齢を超えると一気に水着の大特集が影をひそめます。

アラサー働く女性のライフスタイルファッション誌『Oggi』7月号には、沖縄ロケを敢行しての水着ページがありましたが、かわいい水着満載! というカタログではなく、セカンド水着バージンになってしまった独身大人OLのために水着選びのコツを教えてあげる系でした。

水着の着方を忘れてしまったアラサー&アラフォーには喉から手が出る程有難い企画ですが、「20代には着こなせないスタイルを目指して」とハードルを思いっきり上げられてドキドキします。

もちろん、ギンガムチェックのフリルたっぷりのガーリー系や紐パン&ビジューキラリのエロギャル系は若い世代にお任せして、というのは一理あります。服と同様、昔、気に入って買ったものでも、時を経て嗜好やライフスタイルが変わっていくうちに、好きな気持ちが失せるし似合わなくなってくるもの。

が、アラサー&アラフォーはヘルシーシックにいきましょう! と提唱されるスポーティーな水着は、うまいこと選ばないとスクール水着か? てな状況を引き起こす場合もあって、なかなか手が出しにくい。しかも、シンプルでシックなものは、本体の良し悪しが如実に現れてしまうものです。

おしゃれな人ほど流行に敏感。トレンドが自分好みじゃないなら今年は見送るか、と考えてしまうのかもしれません。大人でも遠慮しないで似合うと思ったら好きな水着着てはっちゃけていいのよ!  という風潮だったら、「水着着ますか」のアンケート結果ももうちょっと違ったものになったのかしら。

しかも海はアウトドアアクティビティーの中で、最も楽しさが天候によって左右されるもののひとつです。
前日からお天気がよくて風がなくて波と潮がいい夏の週末、なんて奇跡に近い。しかも、期間は海開きからクラゲがではじめるお盆開けまでの約1か月と短い。
花火大会やフェスなど日程が決まっているものならお出かけ意欲も高まりますが、自己責任で一か八かのスケジュールをわざわざ組むのは、リスクがあるし面倒くさいものてす。

夏のレジャーは多様化して他に楽しみたくさんあるし、だったら今年は海に行かなくていっか、だから水着もいらないかってことになっちゃうのかもしれません。

まー、独身OL が水着を着ないからといって命に関わるわけではありませんし、着たくないなら着なくてもいいわけですが、変化に富む四季が味わえる日本にいながら、夏に水着にならないなんて、なんだかもったいないかんじです。

アラフィフになって、(今より)若くてピチピチなうちにビキニを着ておけばよかったーと後悔している人も少なくないのです。もちろん、ビキニは何歳になっても着られますが、仕上がりに違いがでますから。
しかも、水着は着慣れていないと、しっくり着こなせなくなっちゃうものです。どんどん似合わなくなるし、自分自身で違和感をもってしまう。ほら、いつもドカジュアルな人がドレスアップすると、こなしきれずに七五三みたいになってしまうことがあるじゃないですか。そんな感じです。

もう一生水着にならないってことはないから多分、今年も一着新調しときませんか?

海の出会いの価値ゼロ! だけじゃなかった。独身アラサー&アラフォーが「もう水着なんか着ない」と決めた残念な理由は、その2に続く!!

■プロフィール

 白玉あずき

東京都出身。清泉女子大学卒。学生時代より活字メディアに携わり、四半世紀にわたり女性のおしゃれと恋愛とダイエットについて考察、記事にする。現在は雑誌や単行本の編集、制作に加え、女性コンテンツのプロデュースやディレクションなど多分野で活動。最近の生きるテーマは社会貢献と女性支援。