「Tokyo Sweets Collection 2015」参加パティシエの中から、3人が試食会に出席。写真左から、田中二朗シェフ、大橋健二シェフ、鎧塚俊彦シェフ

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■ トップパティシエたちの競演

【写真を見る】「Tokyo Sweets Collection」に向けた新作、「アシェット・トレトゥール」の仕上げを行う鎧塚俊彦シェフ

Tokyo Sweets Collection 実行委員会は11月15日(日)、品川プリンスホテル クラブeXで、「Tokyo Sweets Collection(TSC) 2015」を開催する。当日は、トップパティシエたちが織り成すスイーツショーが堪能できる。

7回目を迎える今年は、「1/365〜誕生〜」がテーマ。世界で活躍する実力派パティシエ9人が一堂に会し、ステージで焼き菓子を作る“スイーツ創作ライブ”や、HANAE MORIの新ライン「Hanae Mori manuscrit」とコラボレーションしたショーステージなどを展開する。

総合プロデューサーを務めるのは、大橋健二・ププリエ オーナーシェフ。その他にも、鎧塚俊彦・Toshi Yoroizuka オーナーシェフをはじめ、「Tokyo Sweets Collection」ならではの豪華な顔ぶれがそろう。

イベントに先駆け、11月5日にはメディア向けの試食会が実施された。参加パティシエの中から、大橋シェフと鎧塚シェフ、田中二朗・CALVA オーナーシェフが出席。「Tokyo Sweets Collection」に向けて考案し、今秋から各店で販売予定の新作スイーツがお披露目された。

試食会の開催に際し、大橋シェフは「1年に1回、誰にでも与えられた記念日である誕生日。そこにはさまざまなシチュエーションがあります。過去には、重い病気を抱えている方の誕生日ケーキをお作りしたこともありました。すべての誕生日に笑顔があるわけではありません。そのような子どもたちに贈る誕生日ケーキへの思いを、今回のテーマに込めました」とコメント。

さらに、「パティシエが普段どういった手仕事をしているのか、職人としてのアナログな部分にご注目ください」と、アピールした。

■ 大人のためのケーキ

この日登場したスイーツは全4品。まずは、田中シェフの新作「セル・ディスタン」を紹介したい。“運命”と名づけられたこのケーキは、人生のさまざまなシーンで待ち受ける苦悩を、苦味で表現した一品だ。キャラメルにレモンをプラスすることで、爽やかな苦味を目指したという。

ケーキは2段で構成されており、上部はレモンの皮を加えたクレームディプロマット(生クリームとカスタードクリームを合わせたもの)、下部は粉を使用せずに仕上げたテリーヌショコラとなっている。中には、レモンを加えたキャラメルとレモンのゼリー、ガナッシュと共に、フランボワーズと木イチゴ、イチゴ、グリオットを忍ばせている。それぞれ異なる酸味を持つ4種類のフルーツを合わせることで、複雑な人の心を表現した。

食べてみると、計算し尽くされた味のバランスに、思わずうっとりしてしまう。今までに出会ったスイーツの中で1番と言っても良いほど、甘さ控えめに作られていた。苦味と酸味が前面に出ているからこそ、甘味の持つ魅力が引き出されているように思えた。人生も同様に、苦労を経験してこそ、幸せな時間を心から噛み締めることができる。そんなことを考えさせられる、大人のためのケーキかもしれない。

■ 総菜感覚のスイーツ

鎧塚シェフの新作「アシェット・トレトゥール」は、フランス語で“皿盛りの惣菜”を意味するケーク・サレ。「Tokyo Sweets Collection」では甘いスイーツが多いため、今回はあえて総菜感覚のケーキを出品することにしたという。

ベーコンやホウレンが入ったケーク・サレに、ピューレ状のポテトとトウモロコシのソースが添えられている。ほんのりと感じる甘味は、玉ネギをじっくりと炒めることで引き出しているのだとか。「素材そのものを味わってください」という鎧塚シェフの言葉のとおり、素材への愛情を感じさせる、優しい味わいに仕上がっていた。

■ グレープフルーツが濃厚

最後に紹介するのは、大橋シェフが協賛企業とコラボして作り上げた、2品のスイーツ。キリン・トロピカーナの「ピュアプレミアム グレープフルーツ」ジュースを使用した「トロピカーナパイ」と、明治の「チェルシー」を用いた「チェルシー・ダックワーズ」だ。

「トロピカーナパイ」は、濃厚なグレープフルーツジュースの味わいを生かしたレモンパイ。中に入っているカスタードクリームと、上部のイタリアンメレンゲに、「ピュアプレミアム グレープフルーツ」が使われている。折り数を少なくすることで、サクサクに焼き上げたパイ生地に、爽やかなクリームがよく合う。

■ ザクザクとした食感も楽しい

もう一方の「チェルシー・ダックワーズ」は、米粉を用いたバター生地に、砕いたチェルシーを合わせ、カシスのダッグワーズを絞った一品。中にはヘーゼルナッツのキャラメリゼが入っており、ザクザクとした食感も楽しめる。コクがありながらも、カシスの酸味がさっぱりとした味わいをプラスし、しつこさを感じさせない味にまとめられていた。

「焼き菓子を作るのが好き」と話す大橋シェフ。飲み物がなくてもスっと喉を通るような焼き菓子を意識しているとのことで、今回の2品も後味の良さが際立っていた。なお、チェルシーのホームページでは、「チェルシー・ダックワーズ」を含むオリジナルチェルシースイーツが、抽選で毎日5名に当たるキャンペーンを12月25日(金)まで実施中だ。こちらも合わせてチェックしてみてほしい。

「Tokyo Sweets Collection 2015」のチケットは、現在発売中。年に一度の豪華なスイーツの祭典に、足を運んでみてはいかが?【東京ウォーカー】