こんにゃくで腸閉塞に!? “食べ過ぎ注意”な健康食品5つ

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○○を食べれば健康になる!△△を飲むとダイエットに効く! ――健康志向を背景にそんな記事が週刊誌やインターネットを賑わせ、スーパーの棚からその商品が姿を消す。

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だがメディアの多くはメリットを強調するばかりで、なかなか食べすぎた場合のリスクまで説明してくれない。

そこで今回は、健康に良いと言われている食品・飲料のいくつかについて“摂りすぎ時”に起こり得るリスクを調べてみた。「バランスの良い食生活が一番」という先人たちの知恵を再認識するための助けにしてもらえればと思う。

こんにゃく

食物繊維の一種である「グルコマンナン」ほか多くの有効成分を含み、便秘の改善から美肌、骨粗しょう症の予防まで幅広い活躍をしてくれるこんにゃく。低カロリーで安価、腹持ちが良いためダイエットにもよく活用されている万能食品だ。

その一方、食べすぎるとお通じが良くなるどころか逆に腸が詰まってしまい、腸閉塞になるリスクが指摘されている。また、グルコマンナンは余計な脂肪の吸収を抑えるだけでなく、摂りすぎれば必要なビタミンなどの吸収も邪魔してしまうというから要注意。

グルコマンナンの含有量から逆算した、1日あたりのこんにゃくの適正量は約250グラムまで。ちょうど市販されている板こんにゃく1枚分くらいが目安になる。こんにゃく製品はご飯や麺類などとの「置き換えダイエット」に有効だが、やりすぎには気をつけたい。

キムチ

白菜などの野菜を塩や香辛料で漬け込んだ、日本でもおなじみのキムチ。植物性乳酸菌が腸内環境を整え、トウガラシに含まれる成分「カプサイシン」は代謝アップ、生活習慣病の予防にも役立ってくれる。

しかし漬物の一種であるため、食べすぎると怖いのが塩分過多による高血圧などの健康リスク。また、カプサイシンの大量摂取は発がんを促進することが研究で明らかにされている。

1日の上限量は特に定められていないが、健康維持のためには適量を食べるよう心がけるのが良いだろう。

大豆

昔から味噌やしょうゆ、納豆などの原料に利用され、日本人の食卓を支えてきた存在といえる大豆。たんぱく質が豊富なほか、さまざまな栄養素のバランスに優れる。

大豆に含まれる「イソフラボン」は女性ホルモンと似た働きをすることが分かっており、女性らしいスタイルの維持、美肌、骨粗しょう症予防、がんのリスクを下げるといった効果が期待できる。

女性の味方とも呼べる大豆だが、イソフラボンの過剰摂取は子宮内膜増殖症のリスクを増やすことが報告されている。また、ヒトに対する実験ではないが、妊娠中の動物にイソフラボンを大量投与すると、胎児の生殖機能に影響する可能性が示されたという。

内閣府の食品安全委員会によれば、大豆イソフラボンの安全な摂取目安量は1日あたり70〜75ミリグラム。豆腐1丁で約60〜80、豆乳コップ1杯で50ミリグラム程度を含むことから考えて、普通の食生活で不足するとはあまり考えにくい。

充分足りているイソフラボンを無理にサプリメントで補おうとすれば、逆効果になりかねないということをおぼえておきたい。

ナッツ類

アーモンド、クルミ、ピーナッツなど「木の実」の総称で、古くから人類の貴重な栄養源になってきたナッツ類。ビタミンやミネラルのほか、オレイン酸、オメガ脂肪酸といった有効成分を含む。そのため効能も悪玉コレステロール減少、動脈硬化・心筋梗塞の予防、老化防止まで幅広い。

ただし栄養豊富なだけに、食べすぎはカロリーオーバーにつながる。また、市販のナッツ類は加工する段階で塩分や糖分、油分が過剰になっているものが多く、これも健康には悪影響だ。

どのナッツ類を食べるかによって異なるが、専門家によれば「1日に1オンス=約28グラム」が健康のための推奨量だという。これはアーモンドだと20〜25粒ほどに相当する。塩味や甘味の効いたナッツ類はつい食べすぎてしまうことがあるが、適切な量にしておくのが良さそうだ。

お茶

西洋人が紅茶やコーヒーを好むように、日本人に古くから愛されてきた飲み物・お茶。煎茶、番茶、ほうじ茶、玉露など製法によって多くの種類がある。

渋み成分として「カテキン」を含み、抗菌・抗酸化作用、がんの予防、肥満防止など健康効果は大きい。また、抹茶や玉露に多い「カフェイン」は眠気を防ぎ、二日酔い防止にも効果を発揮する。

お茶の飲み過ぎによる健康リスクは、激痛をともなう尿路結石が代表的だ。これは植物に広く含まれる「シュウ酸」によるもので、ほうれん草などがシュウ酸の多い食品として有名。野菜のシュウ酸は茹で汁に排出されるという実験結果があるが、ある意味お茶は茹で汁そのものなのでリスクが高いのかもしれない。

今年の4月にはアメリカで、多量のお茶(紅茶)を飲んだ男性が緊急入院する騒ぎがあり、「シュウ酸腎症」と診断されたことが日本でもニュースになった。

また、カフェインも過剰摂取すれば胃痛、吐き気、頭痛などの原因となり、死に至るリスクすらある。特に玉露のカフェイン含有量はコーヒー以上なので、より注意が必要といえるだろう。あくまでお茶はリラックスのため、ほどほどの量にとどめておきたい。