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世界中の移民文化が交差するカナダ最大の都市・トロント。先住民の言葉で「出会いの場所」を意味する名を持つこの街は、人口の約半分が世界各国から集まった移民で構成されている。また、ニューヨーク、シカゴ、モントリオールの中央に位置し、多彩な魅力を放つトロントは、旅のディスティネーションとしても人気が高い。トロント映画祭やブロードウェイ進出を目指する新作ミュージカルがトライアウト公演を行うエンターテイメントシティであり、移民文化を象徴する多彩な美食の宝庫でもある。また、数々の美術館、博物館を有するアカデミックさは、知的好奇心を存分に満たしてくれる。郊外に足を伸ばせば、ナイアガラの滝やワインとスローフードで知られるプリンス・エドワード・カウンティ、紅葉が美しい、メープル街道、北の野生動物の楽園アルゴンキン州立公園などもある。2014年には羽田からの直行便も就航し、日本でも人気が高まっているトロントを訪ねた。

写真上:「バータ靴博物館」。世界各国の歴史的価値のある靴のほか、マリリン・モンロー、エルトン・ジョンなど有名人の靴の展示も。

多彩な選択肢にうれしい悲鳴! トロントを観光

人口500万人以上が暮らすカナダ最大の都市トロントには、「すべて」があるといっていい。大きなショッピングモールやナイトスポット、そして、人種の多彩さを象徴するように、街には多種多様な国のレストランが点在。いろいろな国や地域からの移住者たちが共存し、街全体を織り成す様はまさに“人種のモザイク都市”だ。
高さ553mの高さを誇るCNタワーのタワー展望台からは、晴れていればナイアガラの滝の水しぶきを見ることができる。市民の憩いの場でもあるハーバーフロントにはカフェやレストランが立ち並び、いくつもの歴史的な建築物を有するトロント大学は映画の撮影にも頻繁に利用されており、観光スポットとしても人気が高い。ユニークな建築群たちは、トロントの街を象徴する存在でもある。トロント出身のフランク・ゲーリー設計の「オンタリオ美術館」、ダニエル・リベスキンド設計の「ロイヤル・オンタリオ博物館」など、近年、国際的な建築家らが手がけたモダンな建築物が続々と誕生。新たなランドマークとなっている。

写真:右上 トロントのランドマーク「CNタワー」は街のどこからでも目に入るので、迷った際は目印にもなる。下左 名門美術大学「Ontario College of Art & Design」。2004年にイギリス人建築家ウィル・アソップにより、元からの建物の上にモザイク柄の箱型のビルが加えられた。 下右 「トロント大学」のセント・ジョージ・キャンパス。ダウンタウンのクイーンズ公園周辺に校舎が点在している。

博物館と美術館の集まる街、トロント

街全体に文化の香りが息づくトロントには、大小125もの美術館、博物館がある。その代表的な存在が、「オンタリオ美術館」だ。紀元後100年頃から現代に至るまで幅広いコレクションを所蔵。なかでもヘンリー・ムーアのコレクションは世界最大級だ。おしゃれ好きの女性がぜひチェックしたいのは、10,000点を超える靴のコレクションを持つ「バータ靴博物館」だ。雪男(!)の靴やアザラシのブーツ、中国の纏足(てんそく)など世界各地域の伝統的な靴や、著名人が履いた靴などが展示されている。靴箱をイメージして設計された建物もかわいらしい。

Image c 2014 Bata Shoe Museum, Toronto, Canada

ニューヨーク、ロンドンに次いで劇場の多い街と言われるトロントでは、ミュージカル、バレエ、ダンス公演など、展開されるステージは年間で1万を超える。野球、バスケットボール、ホッケーなど、スポーツも盛んだ。数え切れないほどの選択肢の中から、過ごし方を選ぶ──。そんな幸せな悩みを楽しみたい。

取材協力・写真提供=トロント観光局、text Aya Hasegawa

モザイク都市 トロント
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