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1872年に創業したArnould（アルヌー）社は、電気設備機器の製造業者として、地味な存在でありながら、現在に至る。ゼネコンが建設する新築物件に設置されるスイッチは、大半がアルヌ―のスタンダード商品であるといっても過言ではない。普通は、わざわざ確認する箇所でもないせいか、なかなか日の目を見ない商品である。そこで、もう少し付加価値をつけるために、魅力を持たせる試みがなされた。

グラフィックデザイナーのLaure Delcourt（ロール・デルクール）を起用して、装飾品としてのスイッチを提案したのだ。真っ白の規定サイズのスイッチは、入居時に取り付けてあるので、追加オプションで、入居後、２年間有効期限内に装飾ステッカーを注文することが可能。ロール・デルクールがデザインした６つのテーマから選択することができ、室内用途や雰囲気にあわせても選ぶことができる。日々の接触で、手あかが目立ちやすい場所には、こうしたステッカーも便利かもしれない。退去する際に、真っ白のスイッチにしたければ、交換前の状態に戻すのも簡単である。

おまけのような、簡単なアイディアではあるが、デザインのバリエーションを改善していけば可能性はもっとあることだろう。

http://www.arnould.com/

（取材・文　Kaoru URATA）

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