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近づかなければその淡い輪郭は掴みとれず、遠ざかってみなければ溢れるような彩が視野に収めきれない……そんな、とらえどころのない美しさで人々を魅了する“桜”が、日本列島を南から順に染め上げている。九州、近畿、そして今まさに関東エリアでも見頃を迎えており、すでに春色の点描画を楽しんだという人も多いことだろう。

日本には千本桜や夜桜など、桜の名所として知られる場所が多数存在するのだが、やはり圧倒的な存在感を放っているのは日本三大桜ではないだろうか。現在、国指定の天然記念物となっている桜は計39件、その内の33件は単一で植えられた一本桜である。中でも名木中の名木として知られているのが“日本三大桜”にあたる岐阜県「根尾谷淡墨桜」、山梨県「山高神代桜」、そして東北は福島県の「三春滝桜」(上写真)だ。これらの桜はいずれも樹齢1000年を超える古木で、山高神代桜においては推定樹齢2000年とも言われている。

もちろん、これだけの長い年月を積み重ねていれば幾多もの困難に直面する。例えば、根尾谷淡墨桜は幹の老化によって何度か枯死寸前にまで陥ってしまったこともあったとか。しかし、樹木医や地元住民の手厚い保護によって奇跡的に復活し、風雪に耐えながらも毎春麗しい姿を現している。また、未曽有の被害をもたらした東日本大震災――心配された福島の三春滝桜は、地中に張り巡らせた自らの根と太い幹で激しい揺れに堪えたという。その桜が間もなく花を咲かせようとしている。日本三大桜の最後に開花する三春滝桜が、流れ落ちる滝のような美しさで私たちを感動へ導いてくれる日が今年もやって来る。

text / chinatsu umezawa



根尾谷淡墨桜(本巣市)
樹齢約1500年、高さ約16.3m、幹周りは約9.91mにも及ぶ。蕾の時は淡い桃色、満開時には白色、そして散り際になると花弁が薄い墨色に見えることからこの名が付いた。
山高神代桜(北杜市)
実相寺の境内にある日本で最も古いエドヒガンの桜で、樹齢は2000年とも言われている。全身を枝で支えられてはいるが今なお健在。その神々しい姿は見る者を圧倒させる。
三春滝桜(三春町)
エドヒガン系の枝垂桜。その名の通り、開花期になると淡紅色の花が滝から流れ落ちるように咲きほこる。そのあまりにも美しく華やかな様は、言葉を失うほど。
photoctakizakura.com


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