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3月3日、パリで行われたティエリー・ミュグレー(Thierry Mugler)のファッションショーにレディ・ガガがモデルとして登場した。ガガはミュグレーのクリエイティブ・ディレクターで自身のスタイリストでもあるニコラ・フォルミケッティ(Nicola Formichetti)をバックアップするために、出来る限りのことをするつもりだと以前から話していた。今回のショーにガガが音楽を提供することは1月に発表されていたが、ガガがモデルとして登場することが明らかになったのはショーの数日前だった。タバコの煙がたちこめるなか、ガガはラテックスと薄い生地を使った黒いドレスに凝ったデザインの黒い帽子という黒ずくめのファッションでランウェイに登場。シャープに切りそろえられた漆黒の前髪と90cmほどの長いポニーテールで観客の視線をくぎ付けにしたガガは、続いて花嫁衣装風の白いコルセット・ドレス姿でランウェイに登場して自身の新曲「ボーン・ディス・ウェイ」のリズムに乗って挑発的なダンスを披露した。

「すごく緊張したけど、愛するニコラとティエリー・ミュグレーのためだからやるしかなかったのよ。私は18歳の頃からミュグレーのデザインが大好きで、ニューヨークのヴィンテージ・ショップでミュグレーの服を探したりしていたわ」と、ガガは英Daily Telegraph紙にコメントしている。

デザイナーのニコラ・フォルミケッティは、昨年9月、ティエリー・ミュグレーのクリエーティブ・ディレクターに就任。彼はガガのスタイリストとして昨年度MTVビデオ・ミュージック・アワード時の“生肉ドレス”をはじめとする革新的かつ奇抜な衣装の数々を手掛けてきたことで有名だが、 彼女とのコラボレーションを始めた当時はファッション界から冷たくあしらわれたと明かした。
「最初、ファッション業界筋は彼女が理解出来なかったんだ。スタッフに声を掛けても誰一人彼女に衣装を貸そうとする人間はいなかったし、僕のプロジェクトに必要だからと嘘をついて何とか手に入れたくらいだよ」。

ニコラは、2年前雑誌の写真撮影で出会った瞬間から完全にノックアウトされ、当時ポップ・スターの衣装を手掛けることはトップスタイリストに相応しくない仕事だとされていることを知りつつも、彼女の魅力には勝てなかったと告白する。

ニコラは英The Sunday Times紙のインタビューで「僕なりにあれこれ衣装を用意していたところに彼女がヘアメイクもバッチリに素晴らしいいでたちで登場したんだ。この女はタダ者じゃない!って思ったよ」と笑いながら2人の出会いについて語る。「僕の力を貸すまでもなく既に完璧なスタイルを持っていたし、一瞬にして意気投合したんだ」

ガガ様によって自身の夢を実現することが出来たと語るニコラは、ファッションに生きる彼女は彼にとって最高のインスピレーションだと絶賛する。
「それまでは子供のお遊びみたいなものだったと思うんだ。モデルたちに自分が思った通りの衣装を着せ、フォトグラファーの手でファンタジーの世界を作り上げる。でもガガは実際に僕が手掛けた衣装を着てパフォーマンスをしたり外に出掛けたりすることにより、それを現実に変えてくれたんだ。僕が思い描くファンタジーは雑誌の誌面で眺めるだけのものじゃなく、現実社会において確たる目的があるものなんだって思わせてくれたよ」。


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