松本穂香
 数々の映画やドラマに出演している女優の松本穂香さん。大の映画好きでもあるという松本さんが異色のホラー作品『GOOD BOY/グッド・ボーイ』について語ります。

◆残された時間を静かに過ごすため、人里離れた一軒家へ

 今回、わたしが紹介させていただくのは、全編犬目線で描かれたホラー映画『GOOD BOY/グッド・ボーイ』です。

 主人公は犬のインディ。インディの飼い主、トッドは重い病を患っており、残された時間を静かに過ごすため、祖父が残した人里離れた一軒家へと移り住む。

 そこに2週間以上住んだものはいないとされ、呪われた家と呼ばれるその場所で2人を待ち受けていたものとは。

◆犬も人間も関係ない「お芝居としての素晴らしさ」

 まず、インディは無事です。

 ホラー好き犬派にはこれ以上ない最高の映画でした! 新しくて奇抜だという面白さだけでなく、犬と人間の関係性を改めて考えさせてくれる側面もあり、シンプルな魅せ方でありながら奥行きのある作品でした。

 なんといってもインディの演技に触れずにこの作品のよさは語れません! 「ワンカットでこの演技をどうやって?」と衝撃の連続。犬とか人間とか、そんな枠を飛び越えてお芝居としての素晴らしさを感じました。

◆動物俳優として最優秀演技賞を受賞する歴史的快挙

 それもそのはず、インディはこの作品でアストラ映画賞、動物俳優として最優秀演技賞を受賞する歴史的快挙を達成するなど、たくさんの評価を得ています!

 インディでなければ成立しなかった全編犬視点の映画。インディがどれだけ愛され、周りの人間と信頼関係を築けているかが画面を通して伝わってきました。

 そして、犬視点だからこそ見えてくるものがありました。

◆自分の強さ弱さ大きさも関係なく寄り添う存在

 どれだけ大きくて賢いワンコでも、その視点から見える世界は自分より大きいものばかりで、時に恐ろしくもあるということ。そんな世界の中でトッドは常にインディの中心にいて、インディのすべてだということ。

 彼らはすごいです。自分の強さ弱さ大きさ、そんなもの関係なく、ただただあなたが大好きという気持ちだけで傍にいてくれます。笑っていると自分も嬉しくなってしっぽをブンブン振っちゃうし、悲しい気持ちも感じ取って心配してくれる。

 そんな犬の感情が優しく丁寧に描かれていて、改めて尊い存在だなと感激しつつ、人間もそれに応えなければと思いました。

◆言葉が通じなくても伝わる愛

 言葉が通じなくても、彼らはいつも全身で愛を伝えてくれている、だからこそ私たち人間はもっと彼らを安心させて幸せにする使命がある。

 かわいくてすごい!→→→守らねば。

 最終的にこんな感想に落ち着きました。ということで、犬好き必見の映画です。ぜひ映画館でインディのフンスフンスをお楽しみください!

『GOOD BOY/グッド・ボーイ』
配給/アット エンタテインメント ヒューマントラストシネマ渋谷、シネマート新宿ほか全国公開中 © 2025 Whats Wrong With Your Dog, LLC. All Rights Reserved.
<文/松本穂香>

【松本穂香】
1997年2月5日生まれ。大阪府出身。2015年『風に立つライオン』で長編映画デビュー。2017年連続テレビ小説『ひよっこ』に出演して注目を集め、2018年にはTBS日曜劇場『この世界の片隅に』で主演に抜擢。2023年、映画『“それ”がいる森』で日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞。2024年、月9ドラマ『嘘解きレトリック』でW主演。2026年1月期ドラマ『50分間の恋人』では伊野尾慧とともにW主演、4月期ドラマ『タツキ先生は甘すぎる!』ではヒロインを務め、『エンジェルフライトTHE MOVIE』がプライムビデオで世界独占配信中。今秋スタートの連続テレビ小説『ブラッサム』、10月2日公開の映画『ファーストボイス』、『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』への出演が控えている