吉住:自分の恋愛トークを武器にできる人はいると思います。でも、私はそこで笑いを取るタイプの芸人ではない。それを初めて表明したのがあの放送回でした。

◆SNSの「羨ましい」はすごく遠くにあるもの

――ほかにも印象に残っている回はありますか?

吉住:今年3月に放送した『【この歳で、強く感じます】結局、顔。/でも美人じゃなくて良かった/好意のない人からの好意は怖い#20』かな。ルッキズムはナンセンスな時代と言いながらも、今は逆に加速しているじゃないですか。

結局、情報が多すぎて外にばかり目が向いてしまう。コンプレックスで周りと比べたり、マウントを取り合ったり。好きなものを常に否定されて、自信を簡単になくせる世の中になっていますよね。

――どうしたら自信を無くさず、健全に生きていけると思いますか?

吉住:私も右往左往していますけど……。最終的に思うのが、大昔の人は正しかった、ですかね。『孤独アジト』でもよくマンモスの時代の話になるのですが(笑)。今は電気もあるからいつまでも仕事をできるし、頑張る方が偉いって言われますよね。でも、日が昇って沈むまで仕事をして、その後はお家に帰る、みたいな。そういう人としての営みを大事にすることこそが幸福度に繋がっていたんだろうな、と。

――人類としての原点回帰のような。

吉住:もう少し自分を大切にしてあげてもいいのかなって。SNSを見ていると感じる「カッコいい」や「羨ましい」は、実はすごく遠くにあるものですから。今の世の中、実はピントが合っていなくて、おぼろげな像だけが見えている気がして。だから、自分の手の届く範囲の幸せをちゃんと見て、「美味しいごはんを食べられて幸せ」とか、そんな些細なことを大切にできるようになってもいいですよね。

<取材・文/もちづき千代子、撮影/星 亘>

【もちづき千代子】
フリーライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像エディター・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーライターとして活動を開始。インコと白子と酎ハイをこよなく愛している。Twitter:@kyan__tama