ジョン・ボン・ジョヴィ
 デビューから40年経った今でも世界で大変な人気を誇る米ロックバンド、ボン・ジョヴィ。日本でも、毎年夏の盆踊りで1980年代のヒット曲が流されたり、お笑いタレントが芸を披露する際に彼らの曲を使って再び流行したり、世代を超えて多くの人々に親しまれている。世界的スターでありながら、日本のファンにたびたび感謝のメッセージを送って話題になるボン・ジョヴィ。今月中旬には、ボーカルのジョンが、橋から飛び降りる気配のあった女性を救助したニュースが大きく報じられた。

◆橋のへりに立ちすくむ女性にゆっくり近づき……

 今月中旬、メトロポリタン・ナッシュビル警察は、公式SNSで監視カメラ映像を公開するとともに次のような声明を発表した。

「シーゲンソーラー歩道橋で一人の女性を助けたジョンと彼のチームに感謝します」
「ボン・ジョヴィが女性を説得し安全な場所に避難させる手助けをしてくれました」

 その日、米南部テネシー州ナッシュビルのジョン・シーゲンソーラー歩道橋の近くでミュージックビデオ撮影をしていたというジョン。制作チームが橋の下でカメラ機材をセットしていたところ、橋のへりに立ちすくむただならぬ気配の女性を発見したため、ジョンと制作アシスタントで女性の救出に向かったという。

 警察が公開した映像には、他の歩行者が女性を通り過ぎる中、ジョンはスタッフとともにその女性に近づき話しかけ、その後抱きしめながら一緒に橋の端まで歩く姿が映っている。

 この出来事が報じられると「ボンジョヴィは最も偉大なロックスターでありヒーロー」と世界から絶賛の声が寄せられたが、ジョン本人はこの件について沈黙を貫いている。彼の代理人はメディアに対し「ボン・ジョヴィは、危機的状況にいる個人に配慮し、この件についてはコメントを出さない」と話している。

◆コロナ禍にはレストランで皿洗い

 1984年にデビューアルバム「BONJOVI(夜明けのランナウェイ)」を発表して以来、40年以上にわたり大ヒット作を世に送り出してきたボンジョヴィ。全世界でアルバム売上1.3億枚を記録、ロックの殿堂入りも果たしている米音楽界のレジェンドだ。

 世界的ロックバンドとしての地位を獲得しているボン・ジョヴィだが、ボーカルのジョンは社会奉仕活動にも力を入れており、2006年にはチャリティ団体を設立。その一環として、「JBJソウル・キッチン」というレストランを運営している。

 一般人の客も飲食可能だが、食べることに困っている人たちにも食事を提供する非営利のレストランで、従業員の大半はボランティアだそう。またスタッフの中には、メンタルヘルス専門の人もいて、精神的な問題を含め様々な困難を抱えた人々を支援しているという。

 コロナ禍では、従業員の人数を制限していたため、ジョン自らレストランで皿洗いをしていたのだとか。関係者は「JBJソウルのおかげで、彼は危機的状況にいる人への接し方を習得できている」と語っている。

◆きんに君の筋肉芸に盆踊り大会…今も愛されるボンジョヴィの名曲

 1980年代以降、数々のヒット作を生み出してきたボンジョヴィ。リリースからだいぶ時間が経っている曲も多いが、いまでも幅広い世代の人々に愛されている。

 たとえば、ボディビルダーでタレントのなかやまきんに君は、2000年にリリースされたボン・ジョヴィの「It’s My Life」を筋肉芸のテーマ曲として使用。きんに君効果で「It’s My Life」は「レコチョク年間ランキング2023」洋楽ランキング1位に選ばれた。

 これを受け、ボン・ジョヴィは昨年12月、日本レーベルの公式Xで「きんに君、君のサポートに感謝するよ」とメッセージを投稿。さらに今年5月には、メンバーからきんに君に動画コメントが届いた。