中崎町、中津、北新地。アラウンド梅田3エリアに人が集まる理由。

2023年8月16日 18時0分

大阪駅、梅田周辺から見て、北東に中崎町、北西らに中津、南に北新地。梅田から少し離れた、ユルさが魅力のこの3エリアが今、活気づいてます。わざわざ行きたいお店たちを紹介。

大阪でとんかつ流行の兆し。銘柄豚を絶妙な火入れで！〈ニューベイブ豊崎〉

味変にはカラシにワサビ、山形のあけがらしも

中崎町から西へ、徒歩でも20分弱で大阪メトロ中津駅に着く。ちょうど梅田の真北に近いエリアで、さらに西へ進むと阪急中津駅。ランチで選んだのは、とんかつだ。東京の名店で刺激を受けて、関西でもそのおいしさを伝えたい、という想いから出店した注目店が〈ニューベイブ豊崎〉だ。内本町本店、北堀江店もあり、京都、肥後橋にも新店をオープンしたばかり。本店は肉の銘柄を指定できるがこちらはお店のおまかせになる。ロース、上ロース、ヘレ、上ヘレなどがあるが、お薦めは「ハーフ」で、ヘレ肉60gとロース肉120gが味わえる。「初めての方はだいたいハーフを選ばれます」と店主・呉屋良介さん。こちらのとんかつは「薄衣でさっくり軽い」と定評あり。油の温度が違う2つの鍋で三度揚げするなど丁寧な仕事ぶりが、豚肉の旨みを活かしている。「週に一度くらいちょっと贅沢だけど手の届く範囲で」という料金設定も含め、関西人の心意気を見せてくれる。

住所：大阪府大阪市北区豊崎3-6-2TEL：080-3437-5340 大阪メトロ中津営業時間：11:00～15:30（15:00LO）、17:30～20:00（19:30LO）定休日：不定休

今年4月オープンのとんかつ専門店。表面はこんがり軽く、中はしっとりじゅわりの肉汁を保ちながら薄いロゼ色に仕上げ、旨さを閉じ込めている。ハーフ2,200円（ランチはライス、豚汁付き）。テイクアウトのカツサンドもぜひもの。15席

アレンジ効かせた串も一品も充実の焼鳥居酒屋〈炭焼モータープールSO-SIN〉。

阪急中津駅前の〈炭焼モータープールSO-SIN〉は、1階の兄弟店〈日本酒食堂SO-KEN〉と入口は同じ。店内の階段から上が〈SO-SIN〉となっている。経営は別だがハシゴする人も多いとか。炭火で焼きながら鶏油やオリーブオイル、出汁醤油、酒などを駆使して「焼き台の上で調理しているんです」と店主・藤田相臣さん。南森町の会員制焼鳥店〈エナミ〉も系列店だ。鶏肉は鹿児島のさつま大王、丹波赤どりなど。生塩つくねチーズ、上肝パテなど、盛り合わせではなく1本ずつサーブされる焼鳥、締めのようでいて酒を誘うトリュフバター玉子飯といったお酒に合うメニューが揃う。

炭焼モータープールSO-SIN

住所：大阪府大阪市北区中津3-5-5 2FTEL：06-6376-4700 阪急中津営業時間：16:00～23:00（フード22:00LO、ドリンク22:30LO）定休日：不定休

〈日本酒食堂SO-KEN〉の2階。「生塩つくねチーズ」260円、ご近所の名ベーカリー〈カンテ・グランデ〉のパンを添えた「上肝パテ」530円などアテも充実。シメの「トリュフバター玉子飯」450円。自家製氷結酎ハイ580円。日本酒は60㎖ 450円～。14席

朝びきの新鮮但馬どりをコースで食べて飲み放題。〈CHIKI CHIKI 中津店〉

もう一軒、焼鳥で外せないのが〈CHIKI CHIKI 中津店〉。予約困難な焼鳥店〈吾一〉系列で、そのセカンドライン。夕方5時からの営業で、飲み放題付きコースのみだが、日本酒まで含めた飲み放題が人気を博し次々と支店が増え、現在3ブランド8店舗展開。予約がメインだが飛び込みも可能だ。

CHIKI CHIKI 中津店

住所：大阪府大阪市北区中津1-10-12 アトレ中津1FTEL：06-6371-7751 中津営業時間：17:00～23:00定休日：不定休

飲み放題付きコース6,000円のみ。コースは先付け、もものタタキ、せせりやつくねなどおまかせ串7種、手羽唐揚げ、焼きおにぎり、焼き鳥丼など3種の中から選べる〆、デザート。10種の日本酒まで飲み放題。「十四代」などプレミアム3種はグラス700円。36席

どちらも本店は北新地の有名店。〈深夜食堂しまながし〉〈寿し処黒杉心貫〉

夜は北新地へ向かおう。高級クラブなど夜のネオン街のトップとされているが、昔からおいしい店が多いエリアだ。最近ではカジュアルな飲食店が増加中。〈深夜食堂しまながし〉は本店は北新地のこうけつ予約困難店、和食〈纐纈〉で、〈寿し処黒杉心貫〉も本店は北新地の一流鮨店〈寿し処黒杉〉だ。それが1万円以内で楽しめる店を出している。

深夜食堂しまながし

住所：大阪府大阪市北区堂島1-5-35 堂島レジャービル4FTEL：090-1140-8009 北新地営業時間：21:00～6:00定休日：月

高級料理店〈纐纈（こうけつ）〉などから回された日替わり高級食材を気軽な価格帯で提供する。「スジアラ頭煮付け」800円、「本マグロ卵黄醤油造り」1,500円。「マスノスケのクロックムッシュイバラガニの味噌風味」600円やビフカツ1,600円など定番も多数。11席

ネタに合わせた仕事をきっちり

前者は高級食材を居酒屋価格で提供しており、夜時の開店早々が狙い目。深夜になると飲食店の営業を終えた料理人たちも集う。後者は、本店ではおまかせコースのみのところを、アラカルトで楽しめるとあって、ほんとにサッとつまんで飲んで帰る、という常連さんも多いのだとか。どちらも北新地だからといって肩肘張ることなく楽しめるのも魅力。〈深夜食堂しまながし〉では、大ぶりのハモの最も良い部分は本店で使われるが、それ以外の部位やアラはこちらで一品料理に用いる。食材ロスをなくし、料理人の腕を磨く場所にもなっているのだそう。

心貫

住所：大阪府大阪市北区曽根崎新地1-10-22 ミヤプラザ10FTEL：06-6347-0919 北新地営業時間：18:00～2:00（1:00LO）定休日：日祝

〈寿し処黒杉〉の支店。本店で8年間修業した店長・小室優作さんが、甘エビ味噌漬け、明石のマゴチ、まぐろ赤身、コハダなど、本店と同じネタをにぎってくれる。つき出し、握り12貫、味噌汁が付くおまかせ握りコース8,800円。8席（貸切の場合10席まで）

photo : Kouji Fujita, Tomoaki Kawasumi　text : Masaaki Sotsuka編集部 Hanako編集部

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