有休を取る部下と、怒る上司。中間管理職が抱える「板挟み問題」の解決策
今回のお仕事ハックは「中間管理職としての立ち回りが難しい」お悩みについて、コラムニストのヨダエリさんがアドバイス。
中間管理職としての立ち回りが難しい
私はなるべく部下には働きやすい環境を保ってほしいと思っています。そのため、部下が有給休暇を取りたいと言えばもちろん承諾しています。ただ、私の上司には「君の部下は休みすぎじゃないか? 業績が上がっていないのにその調子で大丈夫か?」と言われ、どうすればいいか分からなくなってしまいました。中間管理職である私が一番にやることは何なのでしょうか……?
(20代/IT関連技術職)
あっちを立てるとこっちが立たない……中間管理職は悩ましいもの。あなたは優しい人だと思うので、なおのことツライかもしれません。でも、ここは会社である、ということを忘れないようにして考えていけば、やるべきことが見えてくると思います。
まず前提として、部下には有給休暇を取る権利があります。あなたが部下の希望を受け入れるのは間違っていませんし、部下の働きやすさを考えてあげているのも素晴らしいことです。
ただ、権利と義務はセット。上司が「休みすぎじゃないか」と言ってくるのは、部下がやるべき仕事をしていないのに休んでばかりいるように見える、少なくともその可能性を感じているということです。
そんなことはない、部下はやるべきことをやっている、と思うのであれば、それを上司に伝えましょう。義務を果たしている部下には休む権利があり、それを止めようとすることの方が問題なので。
一方、部下がやるべきことをしているかは分からない……という場合は、今後、部下が休みたいと言ってきた時には「業務の調整はついてる?」と確認するようにしてみては。休んでも支障がないよう早めに自分の作業を進めているか、誰かにカバーしてもらえるよう頼んでいるか、などなど。
そして、もし部下が口ごもったら、「休むのはかまわないけど、調整はきちんとしてね」と伝えましょう。
その後どうなるかは、いくつかのパターンが考えられます。
◇(1)問題なしパターン
部下はこれまで通り有給を取り、仕事に支障も出ないパターン。これで上司も文句を言わなくなるのでは(しばらくは)。
◇(2)成長パターン
部下が「休みたい」と言わなくなるパターン。もしかしたら、自分が休むことで周りがどういう影響を受けるかを考えるようになったのかもしれません。これは部下の成長と言えます。ただ、単に衝突を避けているだけの可能性もあるので、様子を見ながら声をかけてあげるといいかもしれません。
◇(3)見直しパターン
部下は「大丈夫です」と答えたけれど、実は業務に支障が出ていると分かるパターン。この場合、ただ注意するだけでは部下がふてくされる恐れがあるので、なぜ大丈夫だと思ったのかを尋ね、部下の言い分にも耳を傾けながら、一緒に今後の対策を講じましょう。
あなたは優しい人。ただその優しさが部下の成長を妨げ、会社にマイナスをもたらし、結果的にあなたの評価ダウンにもつながったら、それは悲しいですよね。とはいえ、無理に部下に厳しくする必要はないと思います。大事なのは、あなたの特質を生かしながら部下としっかりコミュニケーションを取ること。困った時には上司に相談してもいいんだ、という気持ちも忘れずに。頑張って!
Point.
・部下には、有休を取る権利がある
・ただ、業務に差し障りが出るのを気にせず、自分の都合だけで休んでいるなら問題あ
・「休むのはかまわないが今の業務は大丈夫か」と部下に確認するようにしよう
・困った時には上司に相談してもいいんだ、という気持ちも忘れずに
(文:ヨダエリ、イラスト:黒猫まな子)