2020年は、今田美桜さんにとって飛躍の年だった。

話題のドラマに立て続けに出演し、さらに10社以上のCMにも起用された。まさに引く手数多の売れっ子であったのだ。

勢い止まらぬこの?快進撃〞を振り返り、一体、何を思うのだろう。

「今田美桜」という人物を掘り下げるための一歩として、手始めに問い掛けてみると、彼女は神妙な顔つきで言葉を選ぶようにしながら、ぽつりぽつりと話し始めた。

▶前編はこちら:今田美桜を話題のホテルダイニングでもてなしたら、最高の笑顔を見せてくれた!





「今年はまさかの事態が起こり、家から一歩も出ない日が続きました。

仕事の進め方や撮影の仕方も随分と変わって、大変でした。だからこそお芝居できる感動はひとしおで、仕事をいただけている現実を、改めてありがたいと思いました」

キュートなルックスゆえに今まで実年齢より年下の役に扮することが多く、制服姿をたくさん披露してきたからだろうか。

もう少し緩いコメントが返ってくることを勝手に想像していたのだが、意外にも冷静で、謙虚な答えだった。

よくよく考えてみると、今田さんは1997年生まれの23歳。大学を卒業して社会に出たとするならば「社会人2年目」である。


「初めて、役で制服を着なかった。あぁ私、大人になったんだって(笑)」


確かに、今世紀ナンバーワンの視聴率を叩き出した大ヒットドラマ『半沢直樹』には、半沢(堺雅人)を尊敬する新入社員役で登場していた。

その現場を思い返し、今でこそ「スーツを着て過ごす時間が多かったので、ようやく大人になれたような気がした」と屈託のない表情を浮かべるが、出演当時は、経験豊かな実力派のキャストが居並ぶ現場に身を投じ、さぞかしプレッシャーを感じていたことだろう。

そう思ってご本人に水を向けると、彼女は「不安に押しつぶされそうでした。でも、そのプレッシャーも含めて、とにかく場を楽しむように意識していました」と前置きし、こんな話を聞かせてくれた。


今田さんの、「不安」との向き合い方。



「私はもともと福岡で芸能活動を始めて、いつか東京でやりたいと思っていたところ運よく今の事務所に引っ張っていただきました。なのでこのチャンスを絶対に物にしなければと意気込んでいた時期があったんです。

オーディションはすべて取りにいくつもりで臨んでいました。でも、そのガチガチの気合いはしばしば裏切られて、悔しい思いをたくさんしました。

そこで打ちひしがれている私を見て、事務所の社長が言ったんです。『8勝7敗。1回多く勝てば勝ち。それで良い』と。それを聞いたら、すとんと憑き物が落ちたように体と心が軽くなりました。

失敗を気にしすぎていてはいけない。頑張るにしても、自分を追い込みすぎるのではなく、楽しみながら頑張る。これが一番だと思うようになりました」




「まずは今日。そして明日」


全勝するには自分のすべてを仕事に費やす覚悟がいるし、時間も集中力も必要だ。おのずと無理をするから、心身がボロボロの状態になる。

さらに、常に勝とうとしていると、人との関係にどうしても歪みが生じる。

パーフェクトを目指すと、得るものもあるには違いないが、その反面で失うものも多いだろう。

「だから、先のことを考えすぎないようにしています。まずは今日。そして明日。きちんと人生設計するような方からするといい加減に思われるかもしれませんが、私にはそれが合っているような気がします」




今田さんの言うことには一理ある。10年先、20年先のビジョンを描くのも、もちろんいい。

けれども、例えば「2020年」のように2週間後がどうなるかもわからないような前提に立つと、?今〞に集中することが得策のようにも感じられないだろうか。

今田さんは、認知度を急上昇させた2020年を経て、2021年以降はその人気をさらに不動のものにしていくのだろう。

ただし、今以上のプレッシャーを担ったとしても、変わらずに?8勝7敗〞のスタンスで一歩ずつ前進していってほしい。

帰り際、チャームポイントである吸い込まれそうなほどの大きな瞳で見つめられて、わけもなくそんな感情が芽生えたのだった。


▶前編はこちら:今田美桜を話題のホテルダイニングでもてなしたら、最高の笑顔を見せてくれた!

■プロフィール
今田美桜 1997年生まれ。地元・福岡でスカウトされて芸能活動を開始。2021年には映画『東京リベンジャーズ』が公開予定。

■衣装
ドレス 89,000円、コート 160,000円〈ともにヌメロ ヴェントゥーノ/イザ TEL:0120-135-015〉、リング 30,000円〜〈マリハ/マリハ伊勢丹新宿店 TEL:03-6457-7128〉、バッグ 156,000円、シューズ 107,000円〈ともにジミー チュウ TEL:0120-013-700〉