コロナでマスクが店頭から消えた理由は? 買い占め現象の謎を心理学者が解説
災害時などには、買い占めの問題が起こりやすくなります。新型コロナウイルスの感染が広がる中では、トイレットペーパーやマスクなど、様々なものが店頭で品薄や品切れの状態となりました。その背景にある人々の心理について、心理学者の齊藤勇先生にうかがいます。
≪目次≫
それらの商品を買った人々の心の中では「希少性の原理」が働いていたと推測できる。希少性の原理とは、数が少ないもの、機会が少ないものなどに高い価値を感じる「リアクタンスの心理」という現象である。
店員から「限定3個です」「残りわずかです」「1日30食限定」などと聞くと、心が動くのではないだろうか? 洋服を買うときに、そこまで商品に惹かれていたわけでもないのに、「Mサイズはありますか?」と聞いて「ここにあるのが最後です」と言われた途端に、その商品が欲しくなる。そこでは希少性の原理が働いているのだ。
買い占めの現象が起きるのは、その商品が必要というだけではなく、品物が残りわずかになっている状態が多くの人の心を刺激するからである。
「期間限定」「数量限定」「タイムサービス」など、限定性のあるものには「希少性の原理」が働き、高い価値があるように感じてしまう。会員限定のサービスや商品も、その一例だ。
希少性の原理に弱い人はターゲットにされて、手を替え品を替え何度も狙われる。会員特典に希少性を感じて会員になった客は、今度は会員向けのメールで「限定10個」といった売り文句に煽られて、またお金を払ってしまう。

齊藤勇(さいとう・いさむ)
【Profile】
立正大学名誉教授。日本ビジネス心理学会会長。特に人間関係の心理学として対人感情の心理、自己呈示の心理などを研究。心理学番組の監修を務めるなど、心理学ブームの火付け役となった。主な編・著書・監修書に『イラストレート心理学入門』『イラストレート人間関係の心理学』(ともに誠信書房)、『やってはいけない ダークサイド心理学』『これならできる! 世界一やさしい心理操作テクニック図鑑』『人間関係のストレスが消える! 職場の心理術』(いずれも宝島社)など。
(抜粋)

監修/齊藤勇
執筆協力/龍田昇WEB編集/FASHION BOX※ 画像・文章の無断転載はご遠慮ください

