考古のブースでは縄文土器の文様付けを体験できる

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滋賀県立琵琶湖博物館(滋賀県草津市)では、平成32年のグランドオープンを目指し、3期に分けて展示室をリニューアル中。今回はその第2弾として交流空間「ディスカバリー・ルーム」と「おとなのディスカバリー」が7月6日(金)にオープンした。

【画像】琵琶湖と森を感じることができる

■ 五感で学ぶ「ディスカバリールーム」

大人も子どもも一緒に楽しめる仕掛けがいっぱい詰まったディスカバリールーム。人気コーナー、「ザリガニになろう」・「にんぎょうげきじょう」・「おばあちゃんの台所」・「のぞいてみよう」はそのままに、リニューアル後、今までレプリカだったものを実物の標本へと模様替え。新しいコーナーには、「におってみよう」・「さわってみよう」・「きいてみよう」・「さがしてみよう」の五感を使った展示が加わり、体験型の学びと発見の場となっている。

「さがしてみよう」では、部屋の所々にいる動物の標本を、見渡せる場所から双眼鏡を使って探したり、子どもが見つけやすい低い位置にあるトカゲや、大人が見つけやすい高い場所に潜む鳥のように、親子で教え合い楽しみながら挑戦できるミッションや壁に空いた丸の穴の中に手を入れて標本をさわることができる「さわってみよう」など、好奇心を刺激する。また、展示物の扱い方や、発見する楽しみ方のミュージアムマナーも身につき、博物館のファンを増やす「博物館の入り口」の役割を果たす。

■ 知的好奇心に訴えかける「おとなのディスカバリー」

大人が心から楽しめるようなところを作りたいーと図書館から生まれ変わった「おとなのディスカバリー」。ガラス屋根で解放感あふれ、ワインレッドの壁が印象的な大人で落ち着いた空間だ。しらべる・ゾーンの棚や引き出しには、11分野(動植物だけでなく、文書・民俗・考古・地学)約1300点もの標本があり、観察機材、図鑑等の図書も揃えられ、まるで研究室のよう。展示されている剥製は、実際に学芸員が調達、製作したものもある。

鳥の剥製では、ケースの中央に標本を配し、360度観察できるよう工夫されたものや、仮剥製(目を入れてない標本)という通常なら収蔵庫でしか見られない貴重なものも見ることができる。これら標本は手に取り、持ち運びが出来る上、顕微鏡で観察や、図鑑で調べることができる。他に、テーブルにてスケッチ、トレース、色塗りや、モニターでのクイズに挑戦、土器の文様の付けなど体験は盛りだくさん。

また、質問コーナーには学芸員が常駐しており、直接話を聞くことができるのも嬉しい。オープン・ラボ内では、標本づくりをすることがあり、時間が合えばその様子を見ることができる。確実に見たい人は、HPに予定がアップされるので要チェックだ。学芸員・里口保文氏は「研究者・資料を扱う人が、オープン・ラボというという形で一か所に集まっているところは国内で珍しい」と魅力を語る。

■ リニューアルはこれで終わりじゃない!

「新・琵琶湖博物館」のリニューアル計画はまだ終わっていない。今年秋には縄文弥生の森に、琵琶湖が一望できる空中遊歩道「樹冠トレイル」完成予定。そして、平成32年には第3期として「A展示室」「B展示室」がリニューアルし完結する予定だ。これからますます進化を遂げる琵琶湖博物館から目が離せない。(関西ウォーカー・森田直子)