未発表のモノクロ・セルフポートレートも!原美術館で蜷川実花写真展

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色彩があふれ出すようなカラフルな作品で知られる写真家・蜷川実花。でも、彼女がデビュー当時から断続的に撮り続けているセルフポートレートは、モノクロームの写真も多く含まれるという。そこに映し出される写真家の姿は、私たちのよく知っている「蜷川実花」とはちょっと違ってみえるかもしれない。

2015年1月24日(土)から5月10日(日)まで、品川区の原美術館で開催される個展「蜷川実花:Self-image」では、初期の頃から撮影してきたモノクロームのセルフポートレートを中心に約150点を展示。本人が「生身に近い、なにも武装していない」と語るスペシャルな作品群には、いつもの鮮やかな「蜷川カラー」とは違う魅力が!

「カラフルでポップな蜷川作品が注目を集めてきましたが、彼女は華やかさや幸福感と隣り合わせにある、闇や影をとらえた作品もずっと撮ってきました。蜷川実花の写真の魅力を改めて感じていただければ」と、広報担当の松浦さん。

例えば写真のモチーフとしてよく登場する金魚は、人間の「欲望」が造り出した、自然界では生きられない弱い生命体だという。こんな日常にあふれる残酷さに気づかない事実に違和感を覚えつつ、否定せずにその中で強く生きたい、という思いがこめられているのだとか。

今回は写真だけでなく、新作映像のインスタレーションも展示されるそうで、壁面に大きく映像が投影され、観ている人は海中をふわふわと歩いているような感覚に・・・。「元邸宅だった原美術館ならではの、親密な空間構成を楽しんでください」(同)未発表作品が多いというこの展覧会、ファンにとっても新鮮な空間になるのでは?