吉原遊女も源氏名に使った物語とは? 現在人気の源氏名は「一条・優愛」!?

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インターネット上でやり取りする時に使うハンドルネーム(以下HN)、みなさんはどんな風に考えましたか?

掲示板などを見ていると、「hogehoge」(ほげほげ)、「piyopiyo」(ぴよぴよ)、「pakeratta」(パケラッタ)なんていうHNも時々目にしますが、実はこれはプログラム言語で用いられる「意味のない識別子」なのだとか。こうしたHNをつけている人は、IT関連の仕事をしている人かも。本名から離れたからこそ見えてくるその人の属性や性格というものもありますから、一見意味のわからないHNをみかけたら調べてみると面白いですよ。

話は少し変わりますが、本名でない名前として、気になるのが夜の世界の源氏名。

源氏名は、もともとはその名の通り源氏物語の登場人物や似たような雅な名前のことで、宮中の女官が賜った称号でした。遊女には古くは平安時代から本名とは違う名前が使われていましたが、源氏名が江戸時代に武家の奥女中にも付けられるようになった影響を受け、吉原の高級遊女(花魁)にも使用されるようになったそう。そこから、源氏物語にちなんだ名前でなくても風俗産業で働く人たちの呼び名が「源氏名」と呼ばれるように。段々とセレブから庶民に使われるようになっていったんですね。

源氏名には、プライバシー保護の目的もありますが、源氏名のキャラになりきることで、仕事の自分と普段の自分を切り替えられるという精神的な効果があるのだそう。本名のままの人もいますが、「夜の世界から抜け出せなくなる」というジンクスがあるというから、それを恐れる人も多いみたいですね。
ほかに代表的なものとしては、「花の名前は『散る』を意味するので人気が出ない」、「水商売だけに、『水』に関係する名前の方が売れる」などのジンクスも。また、お客様に覚えてもらうために、漢字は二文字まで、カタカナ禁止など、お店によって約束事があるそうです。

源氏名は、優愛(ゆあ)などのかわいらしい名前が人気で、苗字は一之瀬、一条がだんぜん多いとか。理由はわかりませんが、売れている子の名をを希望する人も多いようです。一方、ホストは若干おちゃらけた名前を付ける人もいるみたい。ネットでも有名になった名前をいくつか紹介しましょう。

・ニコラス啓二(けいじ)さん
・キャミ魂(そうる)さん
・寿 司(ことぶきつかさ)さん
・オンリー優(ゆう)さん
どんなホストさんなのか、会ってみたいですね。

オネエ系は、さらにユニーク。例えば、人気オカマバー『ひげガール』には、「只野女装子」「米山ババ子」「佃煮イナ子」など、名前からして面白そうな人がいます。また、「サオミ」「茄子美」など、オネエであることを連想させられる名前も。

いかがでしょうか? HNにしても、源氏名のような名前にしても、それぞれの個性が出ることがわかりますよね。由来を聞いてみると、ますますその人のことがわかるかもそれません。また、職場、家、ほんわり系の友達、ギャル系の友達、隠れた趣味の仲間…。場面によって、キャラを上手に使い分けられる人が増えているといわれる中、場面に合わせてニックネームを考えてみるのも、面白いかもしれませんね。

(桃山くるみ/サイドランチ)