ESTA 10階の飲食店フロア内にある店舗。壁に大きく書かれた「らっきょ」の頭文字Rが目印

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地元民の間だけで親しまれていたスープカレーを、札幌のソウルフードとして一躍全国区に押し上げた人物といえば、「札幌らっきょ」のイデ・ゴウさん。各地でスープカレー教室を開くほか、関連書籍の執筆を行うなど、スープカレーの伝道師として日々活躍しています。

「本日の道産チキンスープカレー」1350円

開業から20周年を迎える本店のほか、白石区の「らっきょ大サーカス」、東京、神奈川でもスープカレー店を展開し、老若男女に親しまれている「らっきょ」ですが、意外にも札幌中心部には店舗がありませんでした。ですが2017年6月、市民や観光客の期待に応えるべく、満を持して札幌駅直結のビル「ESTA」内に新店舗がオープンしたんです!

無添加にこだわったスープは、鶏ガラ、豚骨、牛骨、道産野菜を使って10時間かけて仕上げ、一晩寝かせてからスパイスを調合。札幌スープカレーの基本になったともいわれるほど長く愛されている本店の味は、もちろんESTA店でも健在です。

必食メニューは、スープと抜群の相性を誇る道産鶏と野菜がたっぷりの「本日の道産チキンスープカレー」。鶏はエサにもこだわって大切に飼育された知床鶏や勇払のブランド鶏「さくらひめ」などを使用。ジャガイモやピーマン、ニンジンなど、大きめにカットされた季節の野菜は、野菜が持つ甘みや食感も楽しめるように計算されているのだとか。

スタンダートを味わい尽くした人には「中札内鶏とゴーダチーズのパイ包みスープカレー」がおすすめ。こちらも、飼料にこだわり臭みが少ないことで知られる中札内鶏を使用。焼いたモモ肉と野菜をパイで包み、オーブンで焼いたなんともおしゃれな一皿。

出張帰りや観光の際に「早めの時間からちょっと一杯」を楽しみたい人には、「前菜3種+生ビール」のセットも。ニンジンのクミンキンピラ、野菜のスパイス炒め、インドのおせんべい「パパド」を楽しめる、ちょい飲みにぴったりのメニューです。

このメニュー、前菜だけでもオーダー可。「オクラと玉ねぎのサブジ」「キャベツとジャガイモのサブジ」「ナスとしめじのアチャール」「トマトとインゲンのサブジ」「ニンジンのクミンキンピラ」「季節のピクルス」「タンドリーチキン」などの中から好きな3種を選べます。ちなみに、サブジとは香辛料にまぶした野菜の炒め煮、アチャールとは保存食として親しまれているインド風の漬物のこと。おつまみにもぴったりなインドの家庭の味なんです。

イデさんのマインドをしっかりと受け継いでいるスタッフたちは「らっきょ軍団」と呼ばれ、その素材へのこだわりや知識は、なみなみならぬものがあります。

札幌エリア全域の統括を務める高石裕二さんは「スープカレーが北海道を代表する食べ物となったからには、具材も道産食材にこだわるのは当然。野菜の高騰や気候など、手に入りにくい場合があっても、全道を探し回れば必ず良いものに出合えます。道産食材の持つ素晴らしさをうちのスープでよりいっそう実感してもらえたら」と語ります。

子供から大人まで楽しめるよう、子供向けにはまろやかに仕上げた「お子様野菜スープカレー」があります。「野菜嫌いだったのに、『ここの野菜はおいしい!』と言っていただけるのがうれしい」と高石さん。また、ほぼすべてのメニューがテイクアウトOKなのも、札幌駅周辺のビジネスマンにはありがたいところ。

スープカレーの老舗ならではのサービス精神とこだわりが詰まった「らっきょ」の魅力を、ぐっと立ち寄りやすくなった街ナカで堪能してみては?

らっきょ札幌エスタ店 ■住所:札幌市北区北5西2-5 ESTA10F ■電話:011・596・7655 ■時間:11:00〜22:00(LO21:20) ■休み:なし ■席数:32席(禁煙)(北海道ウォーカー・高橋結香)