恋愛タイプ「ルーダス」とは?『ヘルタースケルター』りりこを心理学で分析

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2018年に実写映画化される『不能犯』のヒロインに抜擢された沢尻エリカさん。
その唯一無二の存在感が見込まれたとのことですが、主演映画『ヘルタースケルター』でも、確かに強烈な印象を残していましたよね。

全身整形モデル「りりこ」の狂気と哀しみを身体中で表現していた彼女の力強い演技に、心惹かれた方も多いのではないでしょうか。

■りりこってどんな女性?


整形前のりりこは、お世辞にも美人とはいえない容姿で体型もかなり太めでした。そのせいで、実はコンプレックスのかたまり。
整形後は大物プロデューサーと関係を持つなど、計算高く身の振り方を考えているようですが、実際はモデル事務所の社長の指示で動いているに過ぎません。

りりこは、いつもその時々で満たされることしか考えていない女性。そして整形の無理がたたり、肉体が悲鳴をあげ始めます。
彼女にとって、肉体美の崩壊は精神の崩壊を意味するものでした。押し寄せる現実を前にして、自分が向かうべき方向性を見つけようとあがきます。

■りりこの恋愛パターンは?


彼女はロマンチックな雰囲気に酔うような精神的ゆとりがなく、前回解説した「エロス(性愛)」が非常に弱い傾向にあります。
とにかく刹那的な救済を求めようとするため、「ルーダス(遊戯的)」が強い類型といえるでしょう。

さてこの「ルーダス」の傾向が強い・弱いの具体的な特徴とは?今回は「アガペー(博愛的)」と合わせて、解説していきます!

…とその前に、恋愛傾向のタイプをおさらいしましょう。

・エロス(性愛)
・プラグマ(実利的)
・ルーダス(遊戯的)
・アガペー(博愛的)
・ストルゲー(友愛的)
・マニア(独占的)

心理学的には以上の6つに分類することができます。

■ルーダス型傾向


◎傾向が強い人の場合


嫉妬心や執着心がないので、サッパリした関係を築ける人です。ただ、心を通わせ合う充足感より刺激性を求めるため、真剣な恋愛をするのに向いていません。
ワンナイトラブの繰り返しに満足できるならいいのですが、いずれは孤独感やむなしさに悩むときがくるかも。
特定の相手と長期に続く付き合いをしたければ、刺激よりも信頼を築くことに目を向けるべきです。

◎傾向が弱い人の場合


真面目なので頼りにされることが多いでしょう。でも厳格すぎて、相手につまらないと思われてしまうことも。
恋人と二人だけで共有する「秘密」や「遊び」には、親密度を高める効果があります。
時には刺激的なデートをしたり性愛に積極的になったりして、冒険しましょう。魅惑的な時間を過ごすことで、二人の仲がぐっと深まります。

■アガペー型傾向


◎傾向が強い人の場合


相手の幸せを第一に考え、行動する優しさがあります。その献身的な様子が、古風な女性を求める男性には大変魅力的に映るでしょう。
とはいえ、相手の都合優先にするにも限度があります。「相手に悪い」と思って自分の気持ちを押しこんで、過剰な自己犠牲を払うことのほうが「相手に悪い」です。
一方的でアンバランスだと感じたら、素直に自分の欲求を伝えましょう。相手に向き合う勇気を持たなければ、相手も向き合ってくれませんよ。

◎傾向が弱い人の場合


自分がどんなときにどうしたいか、という点に常に迷いがないため、相手にとってとてもわかりやすい人です。
ただ、基本的に「してもらう」スタンスで自らアクションを起こさないため、「甘えすぎ」と敬遠される危険性も。
人間関係は持ちつ持たれつです。相手が何かしてくれたなら感謝の気持ちでそれに応え、時には自分も相手の喜ぶことをして、配慮と思いやりをみせましょう。

■まとめ


「ルーダス」と「アガペー」のパターン、ご理解いただけましたでしょうか。

女性には「アガペー」が強い人が多いと思います。けれど、相手の全てを受け入れ、丸飲みするのが愛情ではありません。

りりこのように「ルーダス」の傾向が強すぎて、周りが見えなくなるのも考えものですが、自分の気持ちを無視するのも問題です。
自分にも相手にも、正直でいられる恋愛をしてくださいね。

次回は残り2つ、「ストロゲー(友愛的)」と「マニア(独占的)」をご紹介します。お楽しみに!

ライタープロフィール


黒木蜜
一般企業に勤めながら執筆した作品が日本文学館のオムニバス本に掲載され作家デビュー。古事記への造詣が深く、全国300ヶ所以上の神社紹介記事を執筆。現在、古事記の観点から紹介する神社コラム/恋愛コラムなども手がけている。
黒木 蜜〜中今の詩〜