旅の目的にしたい イベント・祭り・フェス 100年に1度!有田焼400年記念イベント

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【毎週金曜日 6:00更新】
365日の中で、この日だけしか見られない景色、会えない人、体験できないことが日本中にはたくさん。旅の目的にする価値のある、イベントやお祭り、フェスをご紹介。

◆創業400年の有田焼。注目のイベントをご紹介


日本を代表する磁器・有田焼は、佐賀県の有田町を中心にその周辺の地域で作られているもの。その歴史は日本最古と言われていて、なんと誕生してから今年で400年になるのだとか。
佐賀県ではこれまでの有田焼の歴史を「エピソード1」として捉え、これからを「エピソード2」とし、3年前から有田焼創業400年事業を始めたそう。そして創業400年を記念する今年は、有田町を中心にさまざまなイベントを開催。12月までの数あるイベントの中から、特に気になる催しをピックアップして紹介。また、10月以降もさまざまなイベントがあるから、そちらの情報もチェックして。

◆選りすぐりの佐賀の焼き物が一同に会する、圧巻の展示

(左)白磁染麦彫文壷 井上萬二(右)粉青瓷壺 中島宏

有田焼を含む佐賀の焼き物の風格を堪能したいなら、8月11日(木)〜9月25日(日)までの特別企画展「人間国宝と三右衛門」をぜひ訪れて。人間国宝である井上萬二氏、中島宏氏、今泉今右衛門氏と「佐賀の三右衛門」と呼ばれる有名な陶芸家の逸品を展示。
佐賀の三右衛門は、人間国宝でもある今泉今右衛門氏と酒井田柿右衛門氏、中里太郎右衛門氏を指し、その歴代の三右衛門の代表作が揃う予定。また、本邦初公開となる未発表作品も見られるというからすごい! 有田焼や陶芸に詳しくなくても、伝承されてきた技法を使い、それぞれの陶芸家の個性が表れた作品たちの美しさには、思わずため息がこぼれるほど。これほどの作品が一度に見られる機会は本当に貴重だから、見逃さないで。

◆USEUM ARITAで、使って味わう有田焼の魅力

USEUM ARITAで提供されるメニューの一例

有田焼を“見た”後は、“使って”楽しむのはいかが? 特別企画展「人間国宝と三右衛門」が行われる九州陶磁文化館に、期間限定でオープンしたUSEUM ARITA(ユージアム アリタ)では、8月11日(木)〜11月27日(日)の間「究極の器で至福の佐賀の食!」を開催。こちらのイベントは、人間国宝と三右衛門の器で佐賀県の食材にこだわった料理が食べられるというもの。
「有田焼に対しては観賞するもの、特別な日の食事に使うもの、というイメージを抱いている人も多いと思います。しかし、創業400年を迎えた今年だからこそ、もっと身近なシーンで使ってもらい、その良さを再認識してほしい。そう思って、みんなでアイディアを出しあい企画しました」と語ってくれたのは、佐賀県有田焼創業400年事業推進グループの亀崎真人さん。有田焼の器を使うという体験で、新たな価値を知ることができそう。



また、人間国宝や三右衛門の作品を実際に手に取れるのも、貴重な体験になるはず。ちなみにUSEUM ARITAでは、「USE(使う)」をキーワードに、日常生活のさまざまなシーンにおける有田焼の使い方を提案。現代的なデザインのものやリーズナブルなものもあり、有田焼のある生活が身近に感じられるかも。



有田焼の世界を味わったら、趣のある有田の街並みも楽しみたい。裏路地に入ると目に入るのが、「トンバイ塀」という敷地を囲む塀。磁器を焼く登り窯を解体した後のレンガ、陶片などを赤土で固めたもので、磁器の産地ならではの光景。焼き物から街並みまで、有田の世界にどっぷりと浸る旅へ、出かけてみては?



佐賀県立九州陶磁文化館 第2・3展示室
TEL.0955-43-3681
佐賀県西松浦郡有田町戸杓乙3100-1
アクセス/JR佐世保線有田駅より徒歩約12分
開催期間/2016/8/11(木)〜9/25(日)(月曜休館、祝日の場合は開館)
開催時間/9:00〜17:00
観覧無料



佐賀県立九州陶磁文化館 アプローチデッキ
佐賀県西松浦郡有田町戸杓乙3100-1
アクセス/JR佐世保線有田駅より徒歩約12分
開催期間/2016/8/11(木)〜11/27(日)(月曜休館、祝日の場合は開館)
開催時間/10:00〜16:30
朝御前1500円、昼御前2500円、スイーツとドリンクのセット1000円
予約受付ダイヤルTEL.0955-41-9120(10:00〜16:30)

USEUM ARITA事務局 TEL.0952-27-7102(平日10:00〜16:30)

TEXT/MARIA KAWASHIMA ILLUSTRATION/HONGAMA