最初の1分で「また会いたい」と思わせる! 初対面の人への気配り術

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初めて仕事をする相手とは、なるべく早く打ち解けて、順調に仕事を進めたいもの。「たとえビジネスであっても、基本は人と人とのお付き合いであることを忘れないのがポイント。あいさつのあとにちょっとした雑談を加えると、初対面の人との距離がグッと縮まります」と話すのは、OLから経営者になり、現在は横浜市長を務める林文子さん。

「まずは雑談で緊張をほぐすことで、なごやかな雰囲気を作ってさし上げましょう。ほんの1分程度の雑談で打ち解けられれば、その後の商談や交渉ごとがスムーズに運ぶはずです」(同)

例えば、「今日はさわやかな陽気で気持ちがいいですね。オフィスの前に植えてあるモミジの葉が色づきはじめました」とか、「今日はこの先の神社のお祭りなんです。朝からご近所の方々が通りに集まって、賑やかなんですよ」など、季節の話題は誰が相手でも共感を得られやすいのでおすすめ。

「相手のオフィスにお邪魔しているのなら、応接室のインテリアを見て『素敵な絵ですね』と感想を述べることからも、会話は広がります」(同)

注意したいテーマが、時事問題。大きなニュースは共通の話題になりそうだけれども、初対面の場合は反応が読めないので、話題にしないほうが安全。

「会って間もない相手に対し、事件や事故、災害などのニュースを話題にすると、重苦しい空気になり、話が広がりにくくなります。初対面の相手との雑談は、笑顔で語れる明るい話題であることが大切です」(同)

話題が思いつかないときは、いただいた名刺をよく見て。「ロゴデザインが珍しいですね」や「こちらの部署ではどんなお仕事をされているのですか」など、相手が返事をしやすい話題を見つけるヒントになるはず。

「せっかく出会えたのですから、『あなたのことを教えてください』とわくわくした気持ちで聞きたいことを見つけて、質問してみましょう。好奇心を示されてイヤな気持ちになる人はいません」(同)

名刺には名前のほか、会社名、部署名、肩書、住所など、相手の情報がたくさん詰まっているから、話題が必ずひとつは見つかるもの。最初はぎこちない雑談になってしまっても、慣れてくればスムーズに話題が浮かぶようになり、初対面の人に対する苦手意識もなくなるはず。まずは、本題に入る前に必ず雑談を加える意識を持とう!

林文子
横浜市長。松下電器産業(現パナソニック)、ホンダのセールスレディなどを経て、1987年、BMWの正規ディーラーであるBMW東京に入社。93年に新宿支店長に就任した2年後、ベストセールス店に選ばれる。その後、ファーレン東京(現フォルクスワーゲンジャパン販売)代表取締役社長、BMW東京社長、ダイエー代表取締役会長兼CEO、日産自動車執行役員、東京日産自動車販売代表取締役社長を経て2009年より現職。近著に、林市長が実践し続けてきた、すべての人を味方に変えてより多くの成果を得る秘訣がわかる『ちょっとした“気配り”で仕事も人間関係もラクになる!』(秀和システム)がある。