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乗客2000名のクルーズ船から乗客30名ほどの小型船に乗り換え、約3000の奇岩や島が浮かぶベトナムの世界遺産「ハロン湾」を眺めていた。「ここからだと鳥に見えるねぇ」、「おっ?魚か?」、「まさにゴリラだ!」など海から顔を出す島の形に想像を膨らませていると我々が乗る小型船より更に小さな船が近づいてきた。船の上の果物屋だ。つまり物売りである。

(写真上)雨のハロン湾も幻想的で、いいものです。

忍者のように飛び乗ってくる若い女性の身軽さに見取れ、特に欲しかったわけではないが、「ハウマッチ?」と声をかけていた。値段交渉は苦手だし、僕の語学力では言葉は通じないが、なんとなくコミュニケーションを取っているうちに結局、最初の値の半額でバナナとランブータンを購入し船内にいた人たちと分け合って食べた。予想以上に美味しい果物だった。その後も次々と物売りが現れ、挙げ句にはエビまで購入し、小型船の中でベトナム人の船員に調理してもらった。

前日は中国の海南島、翌日はベトナムのハロン湾と日々、別世界にいる。これもクルーズ船の大きな魅力である。一回の旅で別の国や島に行くとなると、移動の度にパッキングし、街と空港を行き来し、イミグレーションの手続きなどが必要になる。それが、クルーズ船に宿泊していれば、船に荷物を置きっぱなしで、身軽に島を散策し、再び船に戻って、優雅な時間を過ごしている間に次の場所まで連れて行ってくれる。時間も労力も省いてくれるのだ。

(写真右)小型船に来た物売りのお姉さんは、忍者のように飛び移ってきました。

寄港地では、個人で散策することもできるし、オプショナルツアーを利用することもできる。もちろん船から降りないという選択肢もある。普段の僕であれば自分でタクシーを交渉しながら、見知らぬ街に馴染んでいく過程を楽しむのだが、今回のような旅は寄港地の滞在時間は長くないので、乗り物で四苦八苦するより、オプショナルツアーで効率よく周遊する方が便利だと思う。

もちろん、寄港地に降り立って、ぶらぶら歩く、もしくは、寄港地近くのカフェでぼんやりするだけでも充分、現地の人や空気を味わうことはできる。ハロン市に降り立った僕は、クルーズ船内のジム(ダイエット中でよく通っておりました)で着るTシャツが足りなくなったので、寄港地近くのバイチャイマーケットなる市場を散策がてら、Tシャツを物色した。かわいらしい声を発するおばさんから、ベトナムの基礎を作ったホーチミン氏の顔が描かれたTシャツをドル紙幣で購入し、乗船の時間まで浜辺にある海の家のようなカフェで、残っていたドン紙幣を使ってベトナムのビールを注文して、現地の人に混じって飲んでいた。
(写真)ハロン湾周遊の小型船の内部。(オプショナルツアーで参加可能です。

隣のテーブルでは、ベトナム人男性二人組が、豪快に割ったヤシの実にストローを刺して飲み、どちらもTシャツをめくって腹を出し、手でペチャペチャと叩き、気だるそうに海を眺めていた。時折、ビールを出してくれた早口のおばさんが、「あんたたち、少しは働きなさいよ!」と彼らを叱咤するかのように小言を発する。ベトナム語がわからない僕の妄想ではあるが、そんな光景を見ているだけで街に馴染んでいくような気がした。どうでもいい情報だが、僕が購入したTシャツはサイズを間違え、パートナーへの土産となった。サイズはよく確認してね。(text&photo / ishiko)




スタークルーズの香港ツアーでは、香港を出発して中国は海南省の三亜市へ。そして翌日にはベトナムのハロン湾へ寄港した。中国の最南端に位置する海南島は、世界有数のビーチリゾートとしても知られているリゾートアイランドで、「東洋のハワイ、中国の三亜」とも言われるスポットだ。美しい海からのアクセスでその魅力は輝くばかり! そして、ベトナムのハロン湾は、湾内に浮かぶ大小2,000ほどの奇岩が、まるで山水画のような神秘的なムードを漂わせる世界遺産。ハロン湾観光の拠点となるバイチャイやホンガイには、見晴らしのいいベイビューホテルやアミューズメントパーク、マーケットも続々とオープンしている注目の観光地。国際都市、香港とビーチリゾート三亜、そして自然遺産のハロン湾と、めくるめく寄港地の魅力が、クルージングでしか味わえな旅情を生みだし、船旅の虜にしてくれる。


INFO:

スタークルーズ(日本語ウェブサイト) 


香港政府観光局 



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