こんな症状が出たら黄色信号!婦人病のサイン「生理が60日来なかったら」

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女子特有の病気は多々ありますが、どんな症状が出た時点で病院に行けば良いのでしょうか。生理周期の異常、性器からの出血、おりもの、腰痛などのサインがあるといわれていますが、その裏に隠された病とは? そのサインについて、池袋クリックの村上雄太先生に教えていただきました。

生理が60日来なかったら、婦人科で相談

――生理痛が「ある人」と「ない人」がいます。なぜなのでしょうか? 生理痛は病気なのですか?

生理痛=月経困難症と言います。子宮内膜症があって痛みが出る場合は一番厄介ですが、病気がなくても痛みを感じる人がいます(機能性月経困難症)。そういう方は子宮の傾きが強く、出血が出にくい人、子宮の入り口が狭く、出血が出にくい人に多いです。また、腰痛と背中の痛みと婦人科疾患の鑑別は、症状だけでは困難です」

――子宮内膜症について教えてください。また、生理痛がある人は、婦人科を受診したほうがよいのでしょうか?

「子宮内膜症は、原因不明ですが、自然な月経回数や月経量に比例して発症、進行する病気であると言われております。そして現在、女性側の不妊症の要因の大きな割合を占める病気で、出産年齢が遅くなっている現代女性において、非常に厄介な病気です」

――生理周期の乱れはどのくらいが異常なのでしょうか? 体調によって遅れたり、早まったりすることもあると思うのですが……。

「月経周期は通常28日ですが、早い人で25日、遅い人でも40日程度の方がいます。月経が始まった日〜次回月経が始まるまでの日が月経周期です。多少のずれは不順ではありませんが、24日未満、41日以上の場合は、排卵ができていない可能性もあります」

――それは病気ということですか?

生理が60日来なかったら、婦人科で相談するべきでしょう。肥満傾向の方、男性ホルモン活性が強い方(多毛やにきび)、不順の方は要注意です。

超音波検査で特徴的な卵巣の所見(未発達の卵胞がネックレス様に見えます)、血液検査でホルモンの数値から診断します。多嚢胞性卵巣症候群は特に、不順や不正出血の代表にあげられます。また、月経は7日間までです。8日以上持続する場合は過長月経になります」

――どのくらいの量、頻度で「不正出血」といえるものなのでしょうか。ちょっとでもあれば、不正出血なのですか?

「不正出血は、月経以外の出血すべてを指します。量や期間ではなく、少しでもあれば、一応病気を考えましょう。ほとんどがホルモンバランスの乱れですが、感染症や子宮頸癌(けいがん)の代表的な症状です」

●性感染症の治療には投薬が不可欠

――「おりもの」は、どのくらいの量が病気の範囲なのでしょうか?

「おりものは個人差があります。多いから病気とは限りませんが、いつもの自分と違う量や色や臭いを感じたら、何かしらの原因を考えましょう。

細菌性膣炎(黄色のおりもの、臭い)、カンジダ膣炎(白いポロポロしたおりもの、痒み)、トリコモナス膣炎(黄色のおりもの、痒み)、その他一番多い性感染症であるクラミジア(基本的に無症状ですが、放置すると黄色のおりもの、臭い)が挙げられます」

――性感染症って、自力で治すことはできないですか?

「性感染症は、やはり投薬しないと治りません。気になる性交渉があれば、必ず検診を受けましょう。ちなみに、上記で言及したクラミジアは症状が出にくいので、放置して腹膜炎を発症すると、将来の不妊の原因になります。症状が出てからでは遅いです。1年に1回はかかりつけ医で検診を受けることが絶対に必要です」

――最後に、読者へメッセージをお願いいたします。

「現代の女性は、出産年齢が遅くなり、出産回数が減った結果、子宮内膜症や卵巣がん、子宮体がんを発症する方も増加しております。低用量ピルの継続服用などによって、病気を予防し、妊娠したくなるまで、妊娠しやすい体を維持してほしいと考えております。

また、日本は、望まない妊娠、中絶手術を受ける女性がまだまだ多い国です。ぜひ正しい知識と情報を持っていただき、自分で自分の体を守る意識を持っていただきたいです」

つい、敬遠してしまう婦人科なのですが、1年に1回は足を運んだほうがよいのですね。村上先生、どうもありがとうございました。

取材協力:池袋クリニック 院長 村上雄太先生
http://www.e-doctors-net.com/ikebukuro-clinic/

(文・OFFICE-SANGA 臼村さおり)