「息子は大河主演」61歳の強面俳優が…Netflix『ガス人間』でまさかの愛されキャラに。思わず笑ってしまう“最高のシーン”は
さらには、小栗旬・蒼井優のダブル主演に加え、広瀬すず、林遣都、そして本作で俳優デビューを飾ったUTAなど、若手・中堅のキャストも作品の面白さを押し上げている。
※本記事は作品のネタバレを含みます。
◆誰も気づかないのでは? 竹野内豊が別人に
まず触れないわけにいかないのが、元ヤクザで上場企業社長・森靖利を演じた竹野内豊(55)だ。正直に言うと、観終わった後も竹野内が誰を演じていたのか、まったく気づかなかった。
眉毛をすべて剃り落とし、長髪をオールバック。腕にはびっしりとタトゥーを入れた強面ビジュアル、という街中で見かけたら絶対目を合わせたくない出で立ち。その見た目通りの攻撃的かつ挑発的なふるまいも相まって、まさか『ビーチボーイズ』(フジテレビ系)で鈴木海都を演じていた人が森役だったとは認識できなかった。
1話ラストのスタッフロールに竹野内の名前が載っているのを見た時、「あれ? 出てたっけ?」となり、「ラスボス的な感じでちょっとだけ出演していたのかも」とその場は納得した。ところが最終話を観終わった時にも「え? 本当に竹野内豊って出てたっけ?」となり、急いで公式ホームページを見ると森を演じていたことを知り、腰を抜かした。
見た目の豹変ぶりもそうではあるが、声のトーンや目線の使い方まで一貫して“元ヤクザの成金社長”を作り込んでおり、竹野内の表現力の高さがあったからこそ気づけなかったのだろう。
◆大河主演俳優の父が可愛い。作中一番好きなシーン
2026年のNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』で主人公・豊臣秀長を演じる仲野太賀の父親・中野英雄(61)の演じる暴力団組長・大友三郎も魅力的。個人的に本作における一番好きなシーンは、3話で大友が部下たちと一緒に車に乗ってガス人間から逃げる場面だ。
車に張り付いて窓ガラスを叩いて壊そうとするガス人間に「防弾ガラスだ、バカ野郎」と威勢よく言い放つが、「そうだよな?」と不安げに部下に確認する様子が可愛い。そして、律儀に部下はタブレットで車の性能を確認したのか、「防弾です」という報告を聞くと、「おお、そうか」と胸をなでおろす。
危機感を駆り立てる重厚なBGM、疾走感抜群のカーチェイスなど、かなり鬼気迫るシーンとなっている。そんな中、やたらと防弾ガラスかどうかを気にする様子には、緊張と緩和が同時に押し寄せ、可笑しさしかない。また、大友の人間らしさも垣間見え、どこか小動物のような印象だ。
◆反社ジョークで車内は大爆笑
その後、何とかガス人間を振り切り、大友は一安心して「俺は引退すっぞ、もう」と口にし、「俺よ、粉もん屋、やるからよ」「パンケーキの粉によ、ココナツ混ぜちゃうんだよ。そしたらハワイアンパンケーキになっちゃうから」とセカンドキャリアについて語りだす。
続けて、「シャブ入れちゃおうぜ」と“粉もん”を引っかけた反社ジョークを披露し、部下から「辞める気、ないじゃないですか」とツッコまれ、車内は笑顔に包まれた。
この一連の流れが、あまりにも死亡フラグすぎる。「ああ、1分以内にガス人間に殺されるんだろうな」という“確定演出”があるからこそ、このあまりに楽しげな空気感には、砂時計の砂が落ちきる寸前のような儚さを覚えた。

