もし今、大地震が来たら…家族を守るために“わが家に合う避難方法”とシーン別の行動を見直そう


【画像で見る】在宅避難?外へ避難?目安は「自宅が建てられた年」

災害はいつ、どこで起こるか分かりません。備えあれば憂いなし。「いつ来るの?」と地震を怖がるより、ふだんの生活の中で自分と家族の命を守るための行動を、家族みんなで考えましょう。今回は、防災アナウンサーの奥村さんに「避難方法」と「取るべき行動」についてお聞きしました。

奥村奈津美さん


教えてくれたのは▷奥村奈津美さん

東日本大震災を仙台のアナウンサーとして経験。防災士などの資格を持ち、防災アナウンサーとして全国の被災地を訪れ、取材、支援ボランティアに力を入れている。著書は『大切な家族を守る「おうち防災」』(辰巳出版)。

防災に「完璧」はないそのときその場所で最善を尽くして


■防災に「完璧」はない そのときその場所で最善を尽くして

自分と家族を守るために「知る」ことから始めてみましょう。


防災グッズを買ったから安心、と思っていませんか? 

「防災には『これをすれば絶対大丈夫』という正解がありません」と、防災アナウンサーの奥村奈津美さん。

「例えば学校で教わる『地震が起きたら机の下に潜る』という行動。これは頑丈な校舎だから有効で、古い建物では建物の下敷きになってしまう危険もあります。備蓄品を揃える前に『知識をアップデート』することが大切。自宅や外出先のリスクを知っていれば、いざというとき、助かる可能性が上がります」

自分と家族を守るために「知る」ことから始めてみましょう。

■《家にいた場合》在宅避難?外へ避難?まずはわが家に合った避難方法を事前に確認しよう

逃げる? 家にいる? 自宅の「災害リスク」を知っていれば判断に迷いません。

「地震でいえば、家にとどまるか、外に避難するかは建物の耐震基準が判断材料になります。住んでいるエリアの水害や火災の危険度を知るには、国や自治体のハザードマップが便利です。住所を検索すれば、すぐに危険度が分かります。大切なのは、自分が『すぐに外へ避難すべき場所』にいるのか、『家で安全を確保できる場所』にいるのかを知ること。地域や家族構成によっても必要な備えは変わります。まずは現状を知り、わが家に最適な避難方法を事前に確認しましょう」(奥村さん)

■【STEP1】わが家が建てられた年をチェック

【STEP1】わが家が建てられた年をチェック


1981年6月より前の建物は、大地震には耐えられない可能性大(※1)。最近は2000年6月より前に建てられた木造家屋も危ないとされているので(※2)、外に避難を。それ以外の建物は家の中で身を守って。

(※1)現行の耐震基準を満たしていないため、大地震で倒壊するリスクが高いとされています

(※2)2000年6月に木造住宅の耐震基準が強化されたため、それ以前の建物は耐震性が低い可能性があるとされています

1981年6月より前の建物は大地震には耐えられない可能性大。最近は2000年6月より前に建てられた木造家屋も危ないとされているので、外に避難を


(A)1981年6月1日より前に建てられた

→外へ避難

(B)2000年6月1日より前に建てられた木造家屋

→外へ避難

(C) A・Bどちらにも当てはまらない

→家の中の安全な場所で待機

※ただし、STEP2で災害の危険があるエリアに該当する場合は、それらに合わせて避難すること。

■【STEP2】住んでいるエリアの情報をチェック

【STEP2】住んでいるエリアの情報をチェック


津波、崖崩れ、川の氾濫など、住んでいるエリアによって災害の危険度が異なります。家族みんなでハザードマップをチェックし、どこに避難するかを確認しておきましょう。

■ここから調べられる!

ハザードマップポータルサイト

住所を入力すると災害リスクを確認できます。旅行の際に事前に旅先のリスクを調べることも。

#pasobo

自分に必要な備えが1分で分かる!

住所や家族構成などを入力すると、必要な対策や防災グッズなどパーソナライズした情報を提供。

■地震が起きてすぐやみくもに逃げるのは危険!状況に合わせた行動を取れるようにする

今、大地震が起きたら次に取るべき行動は? 事前にもしもを考えておくと安心です。揺れの状況のほか、家の中でも、どこで何をしているのかに合わせて行動しましょう。

■段階別取るべき行動

段階別取るべき行動


【1段階】激しい揺れの最中

危ない場所から離れて身を守る

倒れやすいものなど危ない場所から離れ、低い姿勢になり、頭を守ります。現行の耐震基準を満たしていない家屋の1階にいたら外へ(※3)。

(※3)激しい揺れの最中に屋外へ避難する行動は、落下物や倒壊物、足元の不安定さがあるので、厳重な注意を払うようにしてください

【2段階】揺れが収まってすぐ

津波や崖崩れの危険がある場所は即避難

海が近ければ高い場所へ避難し、崖が近ければ離れます。夜間なら明かりをつけ、スリッパなどを履き、避難出口を確保し、火が出ていないかの確認を。

【3段階】揺れが収まったあと

外へ出て周りの様子を確認する

外へ出て家の周りの様子を見て、救助が必要な人がいないかを確認。大規模火災や延焼のおそれがある場合には、すぐに避難しましょう。

【4段階】地震発生から半日、半日以降

離れている家族がいれば安否確認

離れている家族と安否確認を。SNSや口コミで偽情報が出回り始めることがあるので、ラジオなどで正しい情報を得ることが大事です。

■シーン別取るべき行動

調理中

ガスは自動で止まるのですぐに台所から離れる


ガスは自動で止まるのですぐに台所から離れる

ガスは震度5程度でメーターが自動遮断するように設定されているため、火は気にせずすぐにキッチンから離れて(※4)。包丁などはふだんから飛び出ない場所に固定を。

(※4)まずは身の安全を最優先し、可能であれば、安全に配慮しつつ火元を消しましょう

入浴中

避難出口を確保して速やかに服を着る


避難出口を確保して速やかに服を着る

避難を考えて出口を確保したら、速やかに服を着ましょう。浴室や脱衣所に、倒れて出口を塞ぐものや上から落ちてくるものを置かない工夫をして。

就寝中

布団をかぶって頭を守る


布団をかぶって頭を守る

ベッドまわりには倒れてくる家具を置かず、そのうえで布団をかぶり、頭を守って。ヘッドライトとホイッスルは枕の下に、スリッパはベッド近くに用意しておくと安心。

* * *

まずは、自分の家が大地震に耐えられるかどうか、住んでいるエリアの情報をチェックして、家族みんなで知ることから始めましょう。

イラスト/山中玲奈 編集協力/山本美和

文=徳永陽子