いつまでたっても彼女(本命)になれない女性たちがいます。彼女たちが本命になれない原因は何なのでしょうか…。彼女たちの過去の恋愛から、その原因を探っていきます。

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「彼は浮気を頑なに認めませんでした。それは私と別れたくないからだと勝手に思い込んでいました。自分は別れるつもりなんてないのに、認めさせること、謝罪してもらうことに必死になっていたんです」

と語るのは、都内にある企業にて派遣スタッフとして働いている香織さん(仮名・31歳)。胸まであるロングヘアは毛先がふんわりと巻かれていて、下がり眉に丸い瞳などから深田恭子さんのようなふんわりとした雰囲気を感じるかわいらしい女性です。

「出身は神奈川県で、両親と2歳下に妹のいる4人家族です。家族仲はとてもいいです。父親はどんなに平日に遅く帰ってきたとしても週末は朝から子どもと遊んでくれるような人で、母親は専業主婦で一緒にお菓子とかをよく作った記憶が残っています。

私の記憶の中ではずっと両親も仲が良くて、私の理想の夫婦は両親ですね」

初めて彼氏ができたのはいつですか?

「私は親が勧めた女子高に行き、そのままエスカレーターで短大に進学したのですが、その5年間には何もなくて、初めて彼ができたのは社会人になってからでした。相手は合コンで知り合った人です。

親はとても優しかったんですが、門限があったり、どこかに出かけるときには駅まで送り迎えしてくれるなど、少し過保護気味だったんです。社会人になると門限がなくなったり、友人の家に泊まることが許されたりと柔軟になったので、毎週末友人の家に泊まると嘘をついて朝まで遊ぶなど、一気に振り切れちゃって。出会いを積極的に求めた結果、彼と付き合うようになったんですが、今振り返ると初めての彼で暴走していましたね(苦笑)。

彼は2歳上の大卒のサラリーマンだったんですが、お互いが社会人1年目で仕事を覚えないといけないとか忙しかったはずなのに、私は毎日でも彼に会いたくで約束なしに家に押しかけたり、毎日しつこくメールしたりしちゃっていました。そしたら、『もう好きじゃない』とサクッとフラれましたね。最後は会いに行くとうんざりした顔をしていたので、まぁそうだろうなって」

ボディーブローのように響いてくる失恋のキズ

都合のいい女になった私を「かわいいのに…」と言った先輩

サクッとフラれた直後は平気だったものの、元カレのことを長い期間引きずることになってしまったそう。

「フラれた直後のほうが前向きでしたね。付き合っている期間の彼が私に応えてくれないことが増えていくほうが辛かったし。すぐに次の恋をしたいというよりも、次の恋をして彼のことを忘れなければって思っていました。

でも、合コンに参加していい感じの男性ができても、『彼はもっとスマートに誘ってくれたな』とか考えてしまうようになって、比べる対象ができたことで、彼のことをとても好きだったんだって気持ちが増してしまって。

気持ちが勝手に盛り上がっていって、別れて3か月後ぐらいについ連絡してしまったら、彼は普通にメールを返してくれて、電話も楽しくできました。そんなことがあったからますます好きになってしまったんですよね…」

そこからたまに会って体の関係を持つように。「好意をいいように使われた」と言います。

「最初は彼のほうから『久しぶりにご飯でも行こうよ』と誘われたときは嬉しくて嬉しくて。私はまた付き合えるかもしれないと思って関係を持ったのですが、そうじゃなかった。彼は『また連絡する』とだけ言い、そこから夜だけ呼び出されて関係だけを持つようになりました。

何度か『1日外でデートしよう』と誘っても断られましたし、来週など前もって会う日を約束してくれませんでした。よくて数日先、当日に誘われることばかりでした」

都合の良い女に成り下がっていることに気づきつつも会いに行っていたという香織さん。それを止めてくれたのが、職場の先輩だった健人さん(仮名)でした。人当たりも良く、香織さんの面倒をよく見てくれていた先輩で、当初はまったく意識していなかった相手とのこと。

「私は営業事務の仕事をしていて、健人さんは同じグループで働いていた営業スタッフでした。うちの部署は定期的に飲み会が行われていたんです。その中で本当にたまたま酔っ払って、隣にいた健人さんに彼のことを暴露してしまって。そしたら、『かわいいんだからちゃんとした恋愛をしたほうがいい』と。お説教みたいな感じは苦手だったんですけど、前のほうに“かわいい”が挟まれたことで、この人私のこと異性として見ているのかも、と意識してしまいました。私ってチョロいですよね…」

呼び出されたらたとえ夜中でも。

追いかけることよりも追いかけられて始まった恋だったはずなのに…。後編に続きます。