「IT」「AI」「DX」って、なんの略?【意外と知らない外国語雑学】
ふだん何気なく使っているカタカナ語の由来や、意外に知らない略語の正式名称など、外国語の雑学をクイズ形式でご紹介。語学教材元編集者の “語学大好き”ライターがお届けします。今回のワードは「IT」、「AI」、「DX」!
今回のお題は…「IT」、「AI」、「DX」
新聞やネット記事でもよく見かける略語「IT」、「AI」、「DX」。それぞれ、意味はイメージできそうですが、なんの略かご存じですか?
ヒント:すべて英語由来。でも、DXのXは難しいです!
IT、AI、DXの表記は…
正解は、次のようになります。
IT= information technologyAI=artificial intelligenceDX=digital transformation
では、一つひとつ意味を見ていきましょう。
ITの意味は?
information technologyの意味は「情報技術」。コンピューターやインターネットを使った情報処理技術や通信技術などを総合的に指している言葉です。
IT革命やIT家電、ITバブル、ITリテラシーなど、日本語と組み合わせた使用例も豊富。
ただ、これだけ見慣れている言葉でも、略さずinformation technologyのまま英文に紛れ込んでいると、意外にサッと意味がとれないことも。特に、ビジネス英語を使う可能性がある場合、ITの正式表記は知っておいたほうがよさそうです。
ちなみに、ITはinclusive tour「パック旅行」の略語や、イタリアの国名コードとしても使われています。
AIの意味は?
artificial intelligenceの意味は、「人工知能」。artificialは「人工的な」、intelligenceは「知能、知性」を表します。ただ、日本語の意味がわかっても、具体的に内容を説明するのは案外難しいものです。
人工知能の意味は、『広辞苑』(岩波書店)によると以下の通り。
推論・判断などの知的な機能を人工的に実現するための研究。また、これらの機能を備えたコンピューター-システム。
AIなんて、いかにも最近できた言葉のように思えますが、実はartificial intelligenceが命名されたのは1956年。アメリカの研究集会で、「人工知能の父」と呼ばれる科学者、ジョン・マッカーシー(1927 -2011)が名付けたそうです。
なお、AIはAmnesty International「国際アムネスティ」の略語としても使われています。
DXの意味は?
digital transformationの意味は、「デジタル変革」。これだけではイメージしづらいので、『現代用語の基礎知識』(自由国民社)の説明を引用します。
デジタル技術で抜本的な変革をもたらし、生活様式を向上させるという考え。
そもそもdigital transformationの概念は、2004年にスウェーデンのストルターマン教授が提唱。AIほどではないですが、DXもそこそこ歴史があります。
ちなみに、digital transformation がDTではなくDXと略されているのは、英語でtrans-という接頭辞をx-と省略する慣習があるから。この略語のつくり方、非英語圏の人間にはかなり難しいです!
IT、AI、DXをマスターしよう!
今回は、IT、AI、DXの正式名称をご紹介しました。
略語だけでなく、information technology、artificial intelligence、digital transformationもあわせてインプットしておけば、ビジネス英文やTOEICで見かけてもコワくないです!
参考資料:『情報・知識 imidas』(集英社)『コンサイス カタカナ語辞典』(三省堂)『ビジネス技術実用英語大辞典』(プロジェクトポトス)『デジタル大辞泉』(小学館)『広辞苑』(岩波書店)