近年、イケメンのAV男優が活躍が目覚ましい。「エロメン」と呼ばれる、SILK LABO専属の一徹や月野帯人の名前を見かけたことのある人も多いだろう。

そんな中、元ジュノンボーイファイナリストが12月19日にAVメーカー「ROOKIE」初の単体AV男優として、女性向け作品にてデビューするという。彼の名はYUTA。22歳で、今年の春に大学を卒業したばかりだそうだ。

ジュノンボーイファイナリストというと、“セクシー”より“爽やか”というイメージが一般的だ。AVへの出演と聞くとギャップを感じる人も多いだろう。彼はなぜ、AVに出演することを決めたのか?  YUTAに、芸能界デビューの経緯や、撮影現場で感じたことついて聞いた。

濡れ場も演じられる役者になりたい

YUTAさん

――YUTAさんはジュノンスーパーボーイコンテストでファイナリストになった後、映画や舞台、地上波のドラマなどでご活躍されたそうですが、なぜそこからAV男優としてデビューしたのでしょうか。

YUTAさん(以下、YUTA):マネージャーに「今、女性向けAVでイケメンの男優さんが人気なんだけど、YUTAもどう?」と紹介してもらいまして。女性向けAVというジャンルがあること自体知りませんでしたし、AV男優だなんて考えたこともなかったのですが、挑戦してみました。そんなに大決心をしたというより、好奇心です。

――読者の中には「単体」という言葉になじみのない人もいると思うのですが、単体のAV男優と他の男優の違いは何ですか?

YUTA:僕も詳しいわけではありませんが、AV男優は「役割」があるんです。ひとつ例を挙げると、「汁男優」という、射精することが役目の人ですね。他にも4つか5つに分けられていて、「女優さんと絡むシーンに出演できる」などのステップを踏んでいきます。僕の場合はそのような段階を踏まず、作品のメインとなる「単体男優」としてデビューしました。女性向けの作品で、女優さんではなく、男優を主に見せる作りになっているのが特徴です。

映画やドラマと、AVの現場の違い

――なるほど。そもそもの話ですが、ジュノンボーイコンテストに応募したきっかけはなんなのでしょう?

YUTA:母親が応募したんです。ファイナリストに選ばれたあとは、大学進学で上京をしたことを機に活動を本格化させ、ドラマや映画、舞台などで役者をやらせていただいていました。いわゆる“イケメン枠”としていろいろとオーディションを受けていたんですが、最後の最後で別の人が選ばれることが多く……。今回、他の人と違うことにチャレンジすることにより、濡れ場も演じられる俳優として強みにできたらと思ったんです。だから、今後ずっとAV男優としてやっていくわけではなく、あくまでも俳優としての延長線上です。最終的には映画を専門とする俳優になれたらと思っています。まだ誰もいないポジションをつかみたいんです。

YUTAさん

――映画やドラマの現場とAVの現場の違いに戸惑いませんでしたか?

YUTA:映画やドラマだと、きちんとした台本があり、カット割りも決まっていて、ところどころカメラを止めながら撮影をするのですが、AVの現場は台本がざっくりしていて、流しっぱなしで撮っていました。どうするのが正解なのかもよく分からず、その場その場で監督に指示をされて作り上げていく感じでした。ただ、スタッフさんは和気あいあいとしていて、そこは映画やドラマの現場と同じだと感じました。

恥ずかしかったけど、褒められてテンションが上った

――AVの現場では、男優さんが緊張して勃起しない場合もあるため、撮影を止めて待つという「勃ち待ち」もあると聞きますが、YUTAさんはいかがでしたか?

YUTA:初めての撮影だと緊張して、8割くらいの方が「勃ち待ち」するらしいんですが、僕はそれが一切なくて、監督から褒められました。本格的にAV男優にならないかと誘われてしまったくらいで(笑)。前日に作品で絡む女優さんと顔合わせをして、少しお茶をしたので、それでだいぶ緊張が和らいでいたのだと思います。完全に初対面だったら緊張していたはずです。

YUTAさん

――パンツを脱いで撮影をすることは恥ずかしくありませんでしたか?

YUTA:恥ずかしくなかったと言うと嘘になりますが、現場でみんな「YUTA、緩急があってセックスうまいね!」と褒めてくれるので、テンションが上がり、「見せてやるぞ!」という勢いで撮影してしまいました。緩急があると言われたのなんて初めてです(笑)。

AVへのタブー視を塗り替えたい

――YUTAさんは、今後も俳優を続けていきたいとのことですよね。現在、セクシー系の女優さんや男優さんに対する偏見はだいぶ少なくなってきてはいますが、やはり、テレビとなるとスポンサーとの兼ね合いもあり、タブー視されて出演できないこともありますよね。その点はどうお考えですか?

YUTA:確かに、現状ではそのようなタブーもありますが、爽やかに見えるルックスだと言われているので、「こういう人でもAVに出るんだな」と思っていただくことで、イメージを塗り変えていけたらと思います。最近では、セクシー系の女優さんや男優さんがド深夜ではない時間帯の番組に出演されることもありますし、オープンになり始めているところだと思います。これから、もっとオープンな存在になれるようなきっかけを自分がつくれたらと考えています。

YUTAさん

――では、最後に今後の目標を教えてください。

YUTA:今後はもっと幅広く活動をしていきたいと思っています。。実は学生時代にカフェでバイトをしたことで、ラテアートが趣味になり、大会にも出たことがあるんです。今回の作品では、料理教室の先生に恋する生徒役を演じたのですが、その中でラテアートを披露しています。今後、もし機会があれば、ラテアートを振る舞うイベントなどもやってみたいですね。

(姫野ケイ)