ストリートをアートにするJRが、東北で行う事

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フランス人の写真家/ストリート・アーティストであるJRは、2011年にTED賞(Technology Entertainment Design賞:世界を変えるアイデアを出した者に贈られる賞でこれまでU2のボノ、クリントン元アメリカ大統領らが受賞)を受賞するなど、若くしてグローバルな活躍を見せる気鋭の人物である。



彼は世界中の都市に生きる人々の顔を撮影し、巨大なポートレイトを作成すると、イスラエルのパレスチナ地区の壁、パリ、ブラジルのファヴェーラ(=ブラジルにおけるスラムや貧民街)などに貼付けて展示するといった活動を行っている。家々の屋根や壁、階段、列車、歩道、あらゆる場所が彼のギャラリーとなるのだ。普段は匿名の被写体、つまり一般の人々の顔にクローズアップし、それを巨大な写真にしてこの社会の全面に表出させるというのが彼のコンセプトである。

そんなJRが2008年にスタートさせたグローバルなアート・プロジェクト「Women Are Heroes(女性達こそ英雄)」では、シエラレオネ、リベリア、スーダン、ケニア、ブラジル、インド、カンボジアなど紛争地域を旅し、日々危険に曝されながらも現地でたくましく暮らしている女性達のポートレイトを撮り、それらを世界中で展示。また、その活動を記録した本『Women Are Heroes: A Global Project by JR』を発売している。掲載された写真の数々は、見る者に驚きと衝撃を与えること必至である。

■JRのストリート・アートの数々

Women Are Heroes



さらに今年は、ここ日本でも大掛かりな計画を実行に移しているという。「Inside Out」というグローバルな参加型プロジェクトの一貫で、舞台は3.11大震災被災地、気仙沼。被災した現地の人々を撮影し、気仙沼の街に貼付けるというもので、巨大なポートレイトのためのプリンターを乗せた改造トラックで現地を周り続けている。その活動費用をまかなうために「CAMPFIRE」(クリエイターが作品の制作に必要な資金をファンから募ることができるクラウドファンディング・サイト)にて一般から支援金も募っており、誰でも支援金を送りプロジェクトに参加することが出来るので、興味がある方は是非チェックしてみてほしい。

■JRの新プロジェクト「Inside Out」

■TED賞受賞式でスピーチするJRの映像