噂のお相手、アンバー・ハードと共演した 『ラム・ダイアリー』が日本で公開中のジョニー・デップだが、本人は現在、米ニューメキシコ州で新作『ローン・レンジャー』を撮影中。砂漠でネイティブアメリカンのトントに扮しながら、ジョニーが考えている次なるプロジェクトとは?

2012年はジョニー・デップにとって、ちょっとした試練の年になっている。

ティム・バートン監督と組んだ8本目の映画『ダーク・シャドウ』(原題:Dark Shadows)のアメリカ国内収益は、5月の公開以来かろうじて7千600万ドル(約60億円)。国外ではもう少し受けが良く、その倍ほどの1億5千600万ドル(約124億円)を稼いだが、制作費に1億5千万ドル(約119億円)かかっているので、ほとんど国外分は帳消しになってしまう。

かと思えば、ゴア・ヴァービンスキー監督と組んで制作中の新作『ローン・レンジャー/The Lone Ranger』 は予算が2億5千万ドル(約199億円)にまで膨れ上がり、内部関係者に「もはや制御不能」と言われディズニー側ともめている。

そしてとどめに、ロブ・マーシャル監督と2度目のコラボで映画化するはずだった『影なき男』(原題:The Thin Man)のリメイクは、ワーナー・ブラザーズが二の足を踏んでいる間にマーシャル監督が他の映画に鞍替えしてしまい、おそらく実現しないことになってしまった。

泣きっ面に蜂が2匹... というところに、6月には14年間を共にしたパートナー、ヴァネッサ・パラディと破局。カップルの間には2人の子供がいる。

これだけ悪条件が揃ったら、スーパースターのジョニデとしては、スランプ脱出プランが欲しいところ。だが今回新しく入ってきた2つのニュースを聞く限り、リベンジは果たせそうだ。

<TwitchFilm>によると、他ならぬウェス・アンダーソン監督が、『ムーンライズ・キングダム/Moonrise Kingdom』に続く次の映画に出演してくれるようジョニーに打診したという。かなりの豪華キャストを想定しているらしく、共演者にはアンダーソン監督と馴染みの深いビル・マーレイやオーウェン・ウィルソンを始め、ジェフ・ゴールドブラム、エイドリアン・ブロディ、ウィレム・デフォー、エドワード・ノートン、ジュード・ロウ、そして『ジェシカおばさんの事件簿』で知られるアンジェラ・ランズベリーの名前までもが挙がっている。

このうち何人の出演が実現するかはまだ未定だが、最近の<Vulture>のインタビューの中でアンダーソン監督は、この映画はヨーロッパを舞台にするもので、脚本は彼自身と映画業界人ではない友人が共同執筆した、と語っている。

ジョニーのカムバック計画はそれだけではない。<NYタイムズ>によると、フォーク歌手のウディ・ガスリー(Woody Guthrie)が執筆した未発表の小説、"House of Earth"をジョニーが共同編集することになっているという。(ウディ・ガスリーはボブ・ディランや高田渡にも多大な影響を与えたと言われており、1976年には 『ウディ・ガスリー/わが心のふるさと』という映画の題材にもなった。)この小説は1947年にウディが書いたもので、つい最近まで発見されなかったが、2013年にジョニーと共同編集者のダグラス・ブリンクリー氏(Douglas Brinkley)の手により66年の月日を経て出版される予定だ。

知的な意外性があって、少しインディーズっぽいこうしたプロジェクトはジョニーのルーツを彷彿とさせるが、ハリウッドの超大作映画から離れるという訳ではない。予算の件ですったもんだはしているが、『ローン・レンジャー/The Lone Ranger』は今のところ予定通り、来年の夏に全米公開される。そしてもし『パイレーツ・オブ・カリビアン/Pirates Of The Caribbean』シリーズの次作が実現すれば、ジョニーが主役になる可能性は非常に高い。

ここまでは試練の年だったかも知れないが、新しい恋の噂も含め、2012年後半からジョニーの運気は上がりそうだ。

【ジョニー・デップ、『ローン・レンジャー』で演じるキャラクター「トント」を語る】