今回初めてファーストフェイスを務めた佐々木希/L.D.S.

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 3月5日に代々木第一体育館で、世界最大級のファッションイベントとの呼び声高い「東京ガールズコレクション 2011S/S」(以下:TGC)が開催された。今回で12回目を迎えたTGCは、女性ファッション誌の第一線で活躍するモデルが、数多く登場することで知られるイベント。この日ステージを彩ったモデルは約80名。会場を埋め尽くした観客は女性を中心に23,000人と、その数を聞くだけで規模の大きさが分かるというものだ。

 そんな、そうそうたる人気モデルが登場する中で、今回、フィーチャーされたモデルが2人いる。その1人が佐々木希だ。彼女はこれまでもTGCで幾度となくモデルを務めているが、ついにイベントのトップに登場するモデル“ファーストフェイス”に大抜擢されたのだ。会場のテンションを左右すると言っても過言ではないこの役割は、これまで香里奈、山田優、土屋アンナ、マリエ、長谷川潤といった顔ぶれだった。モデルやタレントとして、同性から支持されていることはもちろんのこと、ライフスタイルをも提案できる者たちが起用されてきた。その役割を任されたと言うことは、佐々木希がこれらのメンバーと同格と見なされたに等しい。だが、彼女はもともとグラビア出身。確かにバラエティ番組やCMの露出などから知名度は申し分無いが、「現時点でどれだけ同性の支持どれだけ得られているのか?」この点に関しては疑問が残った。

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(写真左)ダンスパフォーマンスを披露する場面もあった佐々木希


 しかし、そんな心配は杞憂に終わった。オープニングで登場した彼女が照明に照らし出され、3台の大型スクリーンに大写しになった瞬間、会場は大歓声。「のぞみちゃ〜ん!」「カワイイ!!」アリーナ席を中心に、至るところから声援が飛ぶ。その声に後押しされるように彼女もロカビリー調の曲に合わせてダンスパフォーマンス。照れ笑いを浮かべながらも、ファーストフェイスの大役を真っ当した。その後も繰り返しモデルとして登場した彼女は、トークコーナーにも参加。エンディングでは長谷川潤と肩を並べてランウェイを練り歩くなど、イベントが終わる頃にはすっかりTGCの軸を成すモデルとして、存在感を示していた。

 そして、もう1人は水原希子だ。アメリカ人の父親と、韓国人の母親との間に生まれた彼女は、03年にファッション誌「セブンティーン」(集英社)が主催するモデルオーディション「ミスセブンティーン」でグランプリを獲得。(同期には北川景子などがいた)それから3年間、専属モデルとして活躍したのち、一旦休業するが、07年に「ViVi」(講談社)の専属モデルとして再開。以後、読者を中心に認知度を上げていった。

水原希子 水原希子 水原希子
TGCの舞台に立った水原希子。堂々としたウォーキングを印象づけた


 だが、一般的な知名度はまだまだだった。そんな彼女を一気にスターダムに押し上げたのは、なんと言っても村上春樹原作の映画「ノルウェイの森」の緑役に大抜擢されたことだ。映画の話題性も手伝い、あらゆるメディアから引っ張りだことなった彼女は、テレビにも数多く出演。しかし、あまりの環境の変化からか、画面を通して見る彼女は、いつもどこか戸惑っているようにも感じられた。

 ところが、TGCで見る彼女は、まるで別人だった。その姿はまるで水を得た魚のよう。堂々としたウォーキング。ブランドの世界観をを理解した上でのパフォーマンス。計5回の登場と、かなりのヘビーローテーションだったにも関わらず、その都度、異なる水原希子を見せてくれた。映画出演で得られた様々な経験が自信となっているのか、ランウェイを歩く彼女はとても凛としていた。

(文/写真 矢沢隆則)

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