二大肉食恐竜の競演や最新研究成果も!上野の国立科学博物館で「恐竜博2016」開催

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6000万年以上前の地球に生きていた恐竜たち。上野で開かれている展覧会で、その存在にはまだまだ謎が多いことを実感できそう。

上野の国立科学博物館では、2016年6月12日(日)まで、「恐竜博2016」を開催中。最近の新発見や日本初公開の貴重な骨格標本など、現在の最先端とも言える恐竜研究の成果が一堂に集まる。入場料は、一般・大学生1600円、小・中・高校生600円。

今回の目玉は、白亜紀最大級の二大肉食恐竜「スピノサウルス」と「ティラノサウルス」の競演。特に史上最大の肉食恐竜といわれる「スピノサウルス」は、四足歩行をしたり水中を泳いだりと、これまでの私たちが知っている前例にはない行動をしていた可能性が、2014年に新仮説として発表されているとか。そんな最新研究を元にした、スピノサウルスの新復元骨格は、日本初公開というから注目。

「全長15mのスピノサウルスがもし現代に現れたら、という恐竜博限定のCG映像も会場でご覧いただけますよ」と、広報担当者さん。水上バスが進む大阪市内の大川(旧淀川)などに現れる恐竜の姿に、イメージが広がりそう。

一方、「ティラノサウルス」はこれまで発見された中で最大級の大きさを持つ「スコッティ」が初来日する。全長約12mを誇るこちらは世界に3体しかない「ティラノサウルス」の貴重な全身復元骨格のひとつで、1991年にカナダで発見されたそう。
また、約10種類の恐竜の展示物が日本初公開で登場。これらには新しい仮説を生み出したものも少なくなく、例えば、2014年にロシアのシベリアで発見された新種の羽毛恐竜「クリンダドロメウス」は、鳥への進化の過程で羽毛を持っているという従来の仮説を覆す可能性を持つ存在。

また、2014年に南米・チリで見つかった「チレサウルス」は、植物をすりつぶす形の歯を持つ獣脚類恐竜。これにより「原始的な獣脚類はすべて肉食恐竜だった」という定説が変わるともいわれているとか。


このほか、骨が小さくてもろいので化石として残りにくい赤ちゃん恐竜の化石も初来日する。今回、お目見えするのは、後ろに向かって頭部に突き出たコブが特徴的なパラサロロフスと、縦に長い角を持つカスモサウルスの赤ちゃん化石。いずれも世界でまだ1体ずつしか発見されていないのだとか。

「パラサロロフスは子どもと大人で頭部の突起が異なる形状をしていて、そのため鳴き声も違うことが最新の研究でわかりました、会場ではそれぞれの鳴き声を再現しているので、違いをチェックしてみてください」(同)


会場では展示している恐竜の内4種類を再現した「海洋堂製オリジナルカプセルフィギュア」(各500円)や、スピノサウルスとティラノサウルスの「オリジナルぬいぐるみ」(各1620円)などオリジナルグッズの販売も。

また、期間中、国立科学博物館の地球館中2階にあるレストラン「ムーセイオン」では、特別メニューとして1日50食限定で「恐竜博2016特別メニュー」(1350円)を提供するとか。プレートには、ティラノサウルス風のナンを使ったピザや恐竜の玉子に似せたスコッチエッグなど、遊び心をくすぐる料理が並ぶ。


さらに、通常のチケットのほか、2名1組で使える「金曜限定ペア特ナイト券」(2000円)や、FLASHギャグアニメ「秘密結社 鷹の爪 10周年」とコラボした「温感マグカップ セット券」(一般・大学生が2900円、ローソンチケット扱い、マグカップの会場販売はナシ)なども用意しているそう。

「上野周辺の飲食店約100店が加盟する『上野のれん会』との『タイアップセット券』(セブンチケット扱い)は、お食事券やコーヒー券などが付いて1900〜3000円。上野で一日を過ごす場合にとても便利ですよ」(同)

たまには化石や標本で恐竜たちの痕跡を見て、はるか昔の地球の息吹を感じる休日を過ごすのもいいかも。

トップ画像:「恐竜博2016」メインビジュアル 上/Courtesy of The University of Chicago 下/Courtesy of The Royal
画像 上 クリンダドロメウス復元画:illustrated by Andrey Atuchin
画像 下 カスモサウルスの赤ちゃん実物化石 所蔵:アルバータ大学(カナダ) Photographed by John Ulan, (C) University of Alberta, Faculty of Science.