嵐の相葉雅紀主演のドラマ『ようこそ、わが家へ』(フジテレビ系)がいよいよ最終回を迎えた。

相葉扮する倉田健太は、小さな事務所で働くデザイナー。小心者という性格も手伝ってか、いまいち仕事もうまくいっていない。家族は父の太一(寺尾聰)、母の珪子(南果歩)、そして妹の七菜(有村架純)の4人暮らし。平和だった倉田家だが突如、不可解な事件やイタズラに見舞われる。はじめは事件に怯えていた健太だが、家族を守ろうと勇気を持って事件に立ち向かう姿が見えてきて、相葉の演技の上手さを改めて思い知らされた。

    スラっとしたモデル体型と普通っぽさ

相葉は1982年生まれの32歳。ジュニア時代から『愛LOVEジュニア』や『8時だJ』などに出演するなど、ジャニーズJr.黄金期を支えたうちの一人。175センチという長身で細身。ムキムキの筋肉質というわけでもなく、スラッとしたモデル体型だ。

お茶の間の印象としては『天才!志村どうぶつ園』の印象が強いという人も多いだろう。初主演ドラマ『マイガール』では、亡くなった恋人の子ども、5歳の女の子と同居する役を演じた。動物と戯れる姿、育児に奮闘する姿にキュンとした人も少なくないはず。一方で、ネットのまとめサイトには、バラエティー番組などで発した彼の迷言や珍発言がまとめられるほど、実は天然な性格が見えてくる。

言葉を選ばずに言えば、すごく目立つタイプではない相葉。国民的アイドルでありながら普通っぽさがちゃんとあって見ればみるほどぐっと引き込まれてしまう。

    大御所・志村けんから学んだこと

相葉は『天才!志村どうぶつ園』で共演している志村けんから様々なことを学んだという。以前出演した番組で、志村は相葉のことを「すごいまじめで礼儀正しくて、かっこいいなと思いました」とベタ褒めしていた。同性から、しかも年上の大先輩から言われるには最高の褒め言葉である。

仕事に対してもアドバイスを求める相葉に対して、「自分が出演するのだから自分で考えてカメラマンなどのスタッフに思いを伝えるべきだ」と助言。これ以降、相葉は志村の教えを守りスタッフと打ち合わせをしているという。また、仕事に関することだけでなはなく、目上の人と乾杯する際にはグラスを下げるなど、若い人たちの間では薄れつつある礼儀も教えられたそうだ。同番組へは2004年から、10年を越えてレギュラー出演している。

お笑い界の大御所と共に過ごしていることで、礼儀や常識を身に付け、相葉の「普通っぽさ」というものが作られているのではないかと思う。

    マルチにこなす器用さと謙虚さ

手足の長さを武器にしたダンスにはキレがあり、相葉のソロ曲もぐっと引き込まれる。バラエティーに出れば飾らない姿を見せ、自身の冠番組『相葉マナブ』では番組進行だってできる。アイドルっぽさを主張しないのにちゃんと存在感がある。……なんでもできるマルチさと共に見えてくるのは節々に見られる謙虚さのようなもの。

年齢を重ねるごとに肩に力が入ってしまうこともあるが、今後も自然体を武器にドラマにバラエティーにと活躍を見せてくれるだろう。

(柚月裕実)