身体能力が上がる!アスリートも実践している「ひとりごと」の秘密ー英研究

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1人で運動をしている時、「もう限界」と思ったところで切り上げる人は多いと思います。しかし、研究の結果、人間は自分で思っている以上に運動することができることが分かりました。「運動をして気分がいい」「これは健康に良い」とひとりごとで自分に言い聞かせると、パフォーマンスはアップするそうです。

「自分で自分の限界を決めるな」なんて言ったりしますが、どうやらこれは正論のようです。イギリス、ケント大学の研究によると、「セルフトーキング」―自己暗示をかけるだけで、人間の身体能力は向上するのだそうです。

セルフトーキングとは、自分を鼓舞するような言葉を自分にかけてやるトレーニング法で、実際に多くのアスリートも実践しています。

研究チームは、サイクリングマシンを使って、疲労とセルフトーキングの関連を調査しました。彼らはまず、被験者に8割の力でサイクリングマシンを漕(こ)いでもらい、「もうこれ以上焦げない」というところで運動をやめてもらいます。

その際、心拍数などの身体的データをとり、運動の辛さを0から10のスコアで表してもらいました。

その後、被験者を2つのグループに分け、一方にはそのまま、もう一方にはセルフトーキングを練習しながら2週間運動を続けてもらいます。セルフトーキングの練習では、「You’re doing well」など自分を鼓舞する4種類の言葉を選び、トレーニング中にそれを自分に言い聞かせるようにしました。

声に出しても、出さなくてもいいのだそうです。

2週間後、セルフトーキングを練習したグループにはそれを実践しながら、そうでないグループはそのまま、初回と同様にサイクリングマシンを漕いでもらいました。この結果、セルフトーキングを行った人々は、初回に比べて走行時間が長く、負荷は軽く感じ、心拍数や呼吸の変化も小さくなったそうです。

これに対し、そのままトレーニングを続けたグループは、結果に大きな差が見られませんでした。

自己暗示をかけるだけで、実際に身体能力が上がるというのは手軽でいいですね。ランニングなど、運動をしている皆さんは、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。

参考:Keep Telling Yourself, ‘This Workout Feels Good’
http://well.blogs.nytimes.com/2013/11/06/keep-repeating-this-workout-feels-good/?_r=0