関口涼子の「今の私を作ったもの」連載X+Y=Me

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あなたの人生に大きな影響を与えたモノ・コト・ヒトはなんですか?―今回お答えいただいたのは、作家、翻訳家の関口涼子さん。3つのエピソードをともにご紹介します。

1. 物心ついたときから興味を持った言葉の違い。

今思うと幼少期から知らぬ間に絵本などで翻訳された作品に触れていました。特に印象に残っているのは、アメリカの小説『大草原の小さな家』。初めは主人公家族の子どもたちは、両親を“父さん、母さん”と呼んでいたのですが、翻訳者が変わった続編では“父ちゃん、母ちゃん”と呼んでいると気付きました。小さな変化で作品の世界観が変わることに気がついた瞬間です。

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2. 第三の故郷となったローマで過ごした日々。

フランス文化省主催のプログラムに選抜され、ローマに滞在した一年は忘れられない時間。住む家や生活費は支援され、思いのまま制作活動に打ち込むことができたんです。後に翻訳した『素晴らしきソリボ』はそこでなければ生み出せなかった作品の一つ。今でも休みはローマに足を運びます。

3. 心の師匠が教えてくれた作家としての生き方。

友人のクリスチャン・ボルタンスキーは、24時間どんな瞬間もアーティスト視点。TVで耳にした言葉からインスピレーションを受けたり、街を行き交う人を観察したり、何気ない日々でもアンテナを張りながら、丁寧に生きることを学びました。

関口涼子 作家、翻訳家

パリを拠点に翻訳家、詩人、作家として活躍。2012年にフランス政府から芸術文化勲章シュヴァリエを、2021年オフィシエを受章。著書に『カタストロフ前夜』『ベイルート961時間(とそれに伴う321皿の料理)』、訳書にM・ウエルベック『セロトニン』、P・シャモワゾー『素晴らしきソリボ』などがある。

illustration : Miso Okada text : Ayaka Takaura

No. 1223

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