毎日欠かせない食事とお風呂。

からだに良いのは、お風呂が先? それともご飯が先? どちらでしょうか。

今回もそんな素朴な疑問に、東京都目黒区にある「五本木クリニック」院長の桑満おさむ医師に答えてもらいました。

消化吸収が悪くなる順番

桑満医師の答えは、「ご飯の前に、お風呂に入る方が良いかと思います」。

お風呂→ご飯の順がいいそうです。

画像はイメージ

「食事後しばらくの間、からだの中では消化のために多くの血液が胃や腸で働いているのですが、食後すぐに入浴すると、その血液が身体のほかの部分にも広がってしまいます」

胃腸で十分に処理するための血液が足りなくなるため「(漠然とした言い方ですが)消化には良くない」とのことです。

さらに、入浴すると、「ダストレ・モラートの法則」といって、蠕動(胃腸の動き)が鈍くなることが以前から知られているそう。

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もし先に食事した場合は、「2〜3時間おいて、ある程度消化が終わってから入る」というのが理想。

とはいえ、忙しい現代人、ご飯の前のお風呂を毎日実行するのはなかなか難しいですよね。

一人暮らしであればある程度自由に動けますが、子どもや家族、そして仕事の都合で時間の融通がきかない場合が想定できます。

桑満医師もそこは「難しい」と唸ります。

「教科書的には、お風呂はご飯を食べる前が良い。でも、相当余裕があるときでないとできないと思います。また、食事してすぐに寝るのは避けたいところですが、入浴→食事だと、食べてから寝るまでの時間が短くなります」

こういった状況の上でアドバイスはあるのでしょうか。

「毎日リラックスする必要はない」

「お風呂→食事の順を頭の片隅に入れておいてください。休みの日など時間の余裕があるときにだけ、早い時間に先にお風呂に入ってゆっくり過ごすのもありです。毎日リラックスする必要はないので、平日はがっと働いて、休日にゆっくりすると良いかもしれません」(桑満医師)

いつもはぱぱっとシャワーだけ、という人も多いと思いますが、リラックスするという意味でも、休みの日にゆっくり湯船に浸かるのが良さそうです。

働く時間と休む時間を上手くコントロールしながら、心地よいリズムで生活していきたいですね。

(東京バーゲンマニア編集部 みやま胡桃)

●桑満おさむ(くわみつ・おさむ)
「五本木クリニック」(東京都目黒区)院長。
「日本一の町医者」を目指し、日々地域医療に貢献している。また、自身のブログやメディアを通して、日常生活にあふれている医学について分かりやすく解説している。