もしも、英王室の誰かと突然対面することになったとしたら…多くの人が、頭が真っ白になりパニックに陥りながら、とっさにお辞儀のようなぎこちない動きをしてしまうはず。

とはいえ、これは単なる儀礼にすぎない。ウィリアム王子とキャサリン妃は現在、王室のいっそうの近代化を検討しているようで、そのTo Doリストの最初に掲げられているのは、お辞儀やカーテシーという古い伝統をなくすことだとか。

では、ロイヤルファミリーのお辞儀&カーテシーのルールが具体的にはどのようなものなのか、ここで見ていこう。

厳密にはルールがない(が、実際は存在する)

ロイヤルファミリーは、実際には誰かにお辞儀を強制することはできない。王室のウェブサイトでは、「エリザベス女王や王室のメンバーに会う際の、義務的な行動規範はありません」と明確に書かれている。だが、そこに続けて、「伝統的」な挨拶の仕方についても書かれている。

要約すると、女王や他のロイヤルに会うときは、男性は頭だけを下に向けてお辞儀をし、女性は膝を曲げて小さくカーテシーをすればいいそうなので、とてもシンプル。

ロイヤルキッズたちは、5歳でお辞儀&カーテシーを始める

王室の子どもたちは、5歳から女王にお辞儀やカーテシーをするのが伝統だそう。王室専門家のマレーネ・コーニグは、2018年に『ハロー!』誌で「必ず5歳までには身につけますが、彼らがお辞儀やカーテシーをするのは君主に対してのみです。殿下の称号を持つロイヤルは、ほかの殿下にはお辞儀をしません。そのように書いている記事もありますが、事実ではありません」と述べている。

「君主に初めて会うときには、お辞儀やカーテシーをし、立ち去るときにもまた行います。クリスマス礼拝を行う教会では、女王が到着したときと帰るときに、ウィリアム王子&キャサリン妃、ヘンリー王子&メーガン妃がお辞儀やカーテシーをしていました。チャールズ皇太子を含むほかのロイヤルはサンドリンガムから来ており、すでに女王に会っていたため、お辞儀やカーテシーをしませんでした」

チャールズ皇太子の孫のなかでは、ジョージ王子とシャーロット王女だけが女王にお辞儀やカーテシーをする年齢に達している。いっぽう、ルイ王子やアーチー、リリベットは5歳に達しないため、まだ彼らがお辞儀やカーテシーをする姿は期待できなさそう。

ほかのロイヤルは、お互いにお辞儀やカーテシーをする?

コーニグ氏は「しない」と主張しているが、他の報道には「する」という説もある。『テレグラフ』紙は2012年、ロイヤルは「公的にも私的にも、お互いにお辞儀やカーテシーをする」と報じ、その記事には「キャサリン妃がバッキンガム宮殿のバルコニーでフィリップ殿下にカーテシーをしていた」とも書かれている。

お辞儀を取り巻く説については、2018年にメーガン妃がヘンリー王子と結婚した際にも詳細に語られている。

『メール・オンライン』は当時、メーガン妃とキャサリン妃の両者は“ブラッド・プリンセス”(アン王女やベアトリス王女、ユージェニー王女のように、王室に生まれた生粋のプリンセス)よりも格下であるため、彼女たちに対してカーテシーをしなければならないと述べている。

しかし、メーガン妃&キャサリン妃が、ブラッド・プリンセスたちよりも格上のヘンリー王子&ウィリアム王子と一緒の部屋にいる場合、お辞儀をしなくてもよいとのこと。

ある関係者は、メーガン妃の例を具体的に挙げて、「メールオンライン」に次のように述べている。

「(メーガン妃は)君主の娘であるアン王女に対して、カーテシーをする必要があります。ユージェニー王女とベアトリス王女に対しても同様です。しかし、ヘンリー王子が同席している場合は、ユージェニー王女とベアトリス王女がメーガン妃にお辞儀をする必要があります」

「いっぽう、アン王女の娘であるザラ・フィリップスは、王室に生まれていますが、メーガン妃よりも格下になります(そのため、ヘンリー王子が同席している場合は、ザラがメーガン妃にカーテシーをする必要がある)」

覚えることが多すぎるし、どうしてこうなるの?と感じた人は、次のように考えてみて。

優先順位が定められている

2005年、女王の私設秘書が、“チャールズ皇太子と結婚したカミラ夫人が、王室全体のヒエラルキーのなかでどこに位置するのか”を把握するために作成した文書がある。その文書は公式には『Precedence of the Royal Family to Be Observed at Court(宮殿で順守すべき王室の優先順位)』と呼ばれているそう。

『テレグラフ』紙によると、この文書はキャサリン妃が王室入りした2012年に更新され(王室内で配布され)たそう。これは、キャサリン妃が(少なくともウィリアム王子と一緒にいないときは)「ブラッド・プリンセス」にカーテシーをしなければならないことを明確にするためだったと同紙は報じている。

なおこの文書には、ロイヤルが部屋に入る順番も定められているとか。

女王が誰かに頭を下げることはある?

簡潔に言えば「ノー」。しかし、女王はダイアナ妃の葬儀でこの儀礼を破り、妃に敬意を表して深々と頭を下げる姿がカメラに映し出されている。

知れば知るほど興味がわく、英王室の複雑なルールの数々。もっと詳しくなってみたい!?

Translation: Masayo Fukaya From COSMOPOLITAN