なかなかできない「甘いもの断ち」にファスティングがいいワケ
生まれてから今日まで毎日行っている食事という行為、皆さんは“食べもの”とうまく付き合えていますか?
美味しいものや好きなものを食べているときは、本当に幸せな気持ちになりますよね。でも、バランスを崩してしまうと“太る”や“肌荒れ”、“胃もたれ”といったかたちで身体に跳ね返ってしまうことも。
「我慢したいけど、食べたくてしょうがない!」そんな人は、もしかしたら食べものへの感覚が狂ってしまっているのかもしれません。今回はそんな方へ、管理栄養士でありファスティングマイスターの筆者から、ファスティングで食欲を調整してみませんか?というご提案をさせていただきます。
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「食べちゃいけないのはわかっているけど、食べてしまった……」こんな経験は、誰しもが持っているもの。でもそれが今日も明日も、と続いてしまうと問題になります。これはまさに食べものに自分が支配されている状態。
特に女性に多いのが、甘いものへの執着です。強烈に甘いものを欲してしまい、一度にたくさんの量を食べてしまう。やめたくてもやめられない。筆者はそんな悩みを持った方と数多く接してきました。
砂糖には麻薬に似た中毒性があると言われており、摂れば摂るほどまた欲しくなり、摂らないと摂りたいという渇望する気持ちが沸いてきます。そうしてまさに悪循環にハマるわけです。
ファスティングで、甘いものと距離をとるhttps://www.shutterstock.com
こんなとき、ファスティングが役に立つと筆者は実体験から感じています。ファスティングは一定期間食事をとることをお休みします。たとえば3日間の断食をする場合、最低でも前後2日ずつは準備食と回復食をとりますので、このときも甘いものは摂取しません。この強制的に一週間甘いものを断つことで、悪しき習慣を断ち切るわけです。
そしてこれは、それほど辛くありません。甘いものだけを断つからキツイのです。食事ごと断ってしまえば、「甘いものをとりたい」という気持ちは不思議と沸いてこない人が多いんです。
さらにファスティングにより味覚が正常化され、これによって自然とファスティング後の食事が変わっていきます。実際、筆者のお客さんでも「あれほど食べていたお菓子を欲しいと思わなくなったのが不思議。煮物の味で十分満足できる」というような方がたくさんいらっしゃいます。自分がやめたいと思っている食事習慣を変えるにも、ファスティングは時にとても有効だと言えます。
■前後食は“まごわやさしい”を基本にhttps://www.shutterstock.com
ファスティング前後の食事ですが、“まごわやさしい”を守っていただければオーケーです。“まごわやさしい”とは、食品研究家で医学博士の吉村裕之氏が提唱するバランスのよい食事の覚え方として食材の頭文字を取ったもので、以下の食材を指します。
ま:豆、大豆食品
ご:ごま、ナッツ類
わ:わかめ、海藻類
や:野菜
さ:魚、魚介類
し:しいたけ、きのこ類
い:いも類
この食材を使って揚げ物など脂っこいものを避けてもらえればファスティング前の準備とファスティング後の回復食はバッチリです。
■ファスティング中も最低限のカロリーは摂取https://www.shutterstock.com
ファスティング中、一番気をつけていただきたいのが“しっかり栄養をとること”です。最低限のカロリーをとらないと筋肉が落ちて代謝が下がってしまいますし、ビタミンやミネラルがないとファスティングの効果は半減してしまいます。
食べずに栄養をとるためには、ファスティング専用の発酵ドリンクを活用するのが最適です。また、飲み物においては、ルイボスティーのようなノンカフェインの飲み物はOKですが、コーヒーや緑茶などのカフェインが入ったものは身体に刺激を与えてしまうため避けるようにしましょう。
運動もストレッチや散歩などの穏やかなものに留め、入浴は普通にしていただいて構いませんが、サウナは体力を消耗するので避けたほうが無難でしょう。
管理栄養士のわたしでさえ、食事が乱れることがあります。でもそんなときでもファスティングをすることで、自分の身体が本当は何を欲しているのかという声が聞こえるようになります。筆者にとって、ファスティングは食習慣のリセットに最高の方法です。
自分の食欲や食事内容を上手くコントロールできないと感じている人は、ぜひファスティングという方法も検討してみてはいかがでしょうか。初めての方は専門家に従事する、短期間から始めるなど、安全な方法でスタートしてくださいね。
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※ Luna Vandoorne , qoppi , Luna Vandoorne , worrachet sansing / shutterstock
【筆者略歴】
圓尾和紀
“日本人の身体に合った食事を提案する”フリーランスの管理栄養士。TVや雑誌の出演、講演、執筆、カウンセリングなどで活動中。「カラダヨロコブログ」は月間アクセス20万以上。著書“一日の終わりに地味だけど「ほっとする」食べ方”が2017年4月24日に発売予定。