イビキ、加齢臭、争いナシ！女には利点だらけの”夫婦寝室別室の落とし穴”とは？
共働きの女性やバリキャリにとってかかせないのが「心地よい睡眠」。けれどこの大切な睡眠を妨げるモノ……それが「夫や恋人の存在！」なんてことはないだろうか？
【あんなにラブラブだったのに……ダンナと部屋を別にしたいワケ】
リクルート住まいカンパニーが行った「夫婦が同室に寝ているか？別室で寝ているか？」というアンケートによると、「同室」60.2%、「別室」37.6%、「現在一緒に住んでいない」が2.2%という結果となった。
コレを年代別にみると、
30代……同室72.8％ 別室27.2％
40代……同室59.2％ 別室38.8％ 他2％
50代……同室62.1％ 別室35.0％ 他2.9％
60代……同室46.6％ 別室49.5％ 他3.9％
と、女性たちは年齢が上がるにつれて「ダンナと部屋を別にしている」ことが分かる。
“なぜ彼女たちは配偶者と離れて寝たいのか？”
その理由について独自にリサーチを行ったところ、こんな答えが出てきた。
第3位：「就寝時間が合わない」
・「共働きの夫とは帰宅時間がズレているから、寝る時間も合わない。明日にひびくから私は少しでも早く寝たいのに、夫は深夜までゲームにかじりついてる！とてもじゃないけど付き合いきれない」(30代・女性・小売業)
第2位：「温度の感覚が合わない」
・「夫婦同室でモメるのがクーラーの温度調節！大抵の場合、私は『寒いっっっ！』なのに、暑がりの夫はとにかく室温を下げたがるし……。特に夏場は暑い中ケンカすると最悪なので一昨年から別々に寝てます」(30代・女性・営業事務)
第1位：「うるさい！クサい！……で、眠れない！」
・「とにかく夫のイビキがうるさい！しかもダンナはお年頃なので加齢臭まで出てきたみたいで、一晩経ったあとの枕のニオイなんて最悪〜。うるさい・クサい・眠れない……という三重苦で夫と眠るなんてまっぴらゴメン。
寝室は絶対に別派！」(40代・女性・団体職員)
……恋人時代は「カレの腕枕で朝を迎えたい！」「男性に抱きしめられたまま眠りにつきたい」……だったハズの女たちの願いや憧れは、結婚するとこんなにも変わるのだ。
男性と女性では「心地よい」と感じる室温にも差があり、互いが床に就きたい時間も異なる。休日や週末だけならどうにか乗り切れたそのビミョーな違いが、同棲や結婚をして毎日の生活ともなると「もう耐えられない！」となるワケだ。
実際、夫と部屋を別にした女性たちからは「ようやく夫の寝返りや寝相の悪さとオサラバ出来た！快眠〜」なんて声や、「『寝る前にスマホいじるな！』っていうケンカや争いごとが減ってスッキリ！」などという声もよく聞かれる。
ならば「女性にとってメリットいっぱい！」の夫婦別室制を、この記事を読んでいる女性たちも即実行すべきなのだろうか？
けれどもここに驚くべき他のデータもあるのだ。
【円満に過ごしている夫婦たちの半数以上は、「夫と寝室を共にすべき」と考えている！？】
「オウチーノ総研」が2014年8月に行った「あなたと旦那様／奥様との夫婦仲は円満ですか？」の調査によると、なんと「自分たちは円満である」と感じる夫婦の同寝室率が「80.9％」であるのに対し、「自分たちは円満だとは言えない」と考える非円満夫婦はおよそ半分の「43.5％」しか寝室を共にしていなかったのである！
もちろん、「もう顔も見たくないほど仲が悪いから寝室が別なのも当然！」という考え方もあるだろう。
……けれど、逆の考え方「寝室を別にしたからこそ円満でなくなった」という見方も出来るのではないだろうか？
【快適な夫婦別室制の落とし穴とは！？】
夫といま寝室を別にしたい人、実際している人のほかに、「一度別室にしたけれどまた同じ部屋で寝ている」という女性たちも少数だが存在する。そんな女性の声を聞いてみよう。
・「別の寝室にしてから夫のイビキから解放され快適でしたが、やっぱり“夫婦生活の営み”それどころか会話までもがなくなっちゃって……。夫と寝る前に交わしてたホントに何げない会話……その時は“くだらない”と思ってた内容や『今日、こんな事があってムカつく！』みたいなグチを言い合うのってとても大事だったんだなと思いました。寝室を戻して体は少しきついけど、心の方は別々に寝てたときより全然ラクです」(30代・女性・販売)
……そう、女性たちの言う「夫と寝室を共にしなくてラク！」というのは、主に身体面のことなのだ。
身体を優先させれば気持ちも充実する、肉体が快適なら心理的にも快適……となればいい。
けれど「夫婦の寝室」というデリケートな問題を長い目でみたとき、あながち「身体がラクならそれでいい！」と単純には言いきれない。
ぐっすり睡眠がとれさえすれば互いの気持ちが満足するわけではないのだ。
寝室を別にするということは、「会話が減る」わけで、ただでさえ忙しい現代の男女は、仕事や家事に追われて互いを労わる時間さえとれない。「そういえば平日なんてトータルで15分も夫と会話しないな」……なんてカップルや夫婦もいるのではないだろうか？
「夫婦の寝室を別々にする」ということは、その貴重な15分間さえも失うことにつながりかねないのだ。
そこが夫婦の落とし穴！！
コミュニケーションの習慣は一度怠ると「今更なに話せばいいの？」「話すことないし……」となる。
寝室を別にするのは簡単だが、夫婦関係を「元に戻す」のはとても難しい。
会話の無くなった夫婦が再び互いの目をみて笑顔で会話をする日はもうやってこないだろう。
睡眠を満たすか？心を満たすか？
夫婦別室のメリット・デメリットをよく考えてパートナーと寝床を共にするかどうかを選んで欲しい。
体験型恋愛コラムニスト・神崎桃子
