【インタビュー】福士蒼汰&有村架純「まっすぐ人を思うことって悪いことじゃない。やっぱり恋っていい」
「好きな人に、好きな人がいても好き」。
恋に奥手な女子高生の初めての恋愛模様を瑞々しく描き人気を誇る、咲坂伊緒原作の「ストロボ・エッジ」が映画化。福士蒼汰&有村架純のフレッシュな最強コンビが、「登場人物全員片想い」の青春ラブストーリーで感じた思いを語ってくれました。本作が4度目の共演のふたり。なごやかな雰囲気で行われたインタビュー模様をお届けします!!

S__6685023――福士さんは初めて読んだ少女マンガが「ストロボ・エッジ」で、ずっと一之瀬蓮を演じたいとおっしゃっていたそうですが、どんな所が魅力だったのですか?

福士:高校2年の時に後輩に勧められて初めて読んだ少女マンガが「ストロボ・エッジ」だったんです。学生の時に読んだということもあるんですけど、蓮の“優しさを前面に押し付けたりしないさりげなく優しいところ”がすごくインパクトがありました。
ずっと「蓮を演じてみたい」と思っていたんですけど、いざ役が巡ってくると、自分にとっての一之瀬蓮の理想が高かったぶん、自分に務まるのかという不安やプレッシャーもありました。

――有村さんは、仁菜子役のために髪をバッサリ切って役づくりもされましたが、オファーが来た時はどんな気持ちでしたか?

有村:私も高校生の時に原作を読んだんですけど、やっぱり女子だから恋愛ストーリーに憧れて、「マンガの中に入りたい!!」と思うくらい羨ましかったです。仁菜子の純粋に人を好きになる気持ちに共感できたり、泣けたり、幸せな気持ちになったり、素敵だなと思ってました。オファーが来た時は嬉しかったと同時に、仁菜子のピュアでまっすぐなところは「自分にない所にいかないと演じられない」と思いました(笑)。すごい不安でした。どうしたらこんなにピュアでいられるんだろうって(笑)。

S__6685023――お互いに見て、「役と似ているな」と思ったところはありますか?

有村:福士君と蓮君は「人にないものを持っている」所が似ていると思います。雰囲気や立ち居振る舞いとか。あと……常に自然体で、感情の起伏も激しくないから、いつ会っても安心できる。

福士:有村さんは仁菜子は自分にないところがあるって言ってますけど、僕は……結構、似ているんじゃないかと思います。違うかな(笑)。僕から見ると笑顔がかわいいと思います。目が語る表情が仁菜子と似ているというか、まっすぐな視線が蓮の役を通して伝わってきました。

――仁菜子みたいに、すぐ転んじゃったりドジっぽいところは…ない?

福士:たまにありますけど、有村さんの方が“まだ”しっかりしてると思います(笑)。

有村:“まだ”ってなに〜?(笑)


「有村さんは昔からピュア!今回は“熱さ”を感じた」


――今回で4度目の共演になりますが、あらためてお互いに発見したことなどはありましたか?


有村:最近思ったんですけど、福士君って意外と緊張しいなのかなと思ったんですよね

福士:おお!

有村:いつも堂々としてるし、受け止めてくれるような感じなんですけど、すごく色んなことを考えていて実は緊張とかするのかなって思いました。でもそういう面があってなんか嬉しい(笑)。

福士:(笑)。有村さんは昔からあまり変わらないです。昔からピュアです! 今回感じたことで言えば、“熱さ”を感じました。作品に対してや役に対して、全体を良くしようという気持ちを今回強く感じました。

――では今回の“片想い”がテーマの甘酸っぱいシーンもお互いを知っている分、演じやすかったですか? 難しかったですか?

福士&有村:やりやすかったです!!

有村:新潟ロケをした時とかはあまり一緒のシーンがなかったので自然と距離をとっていたんですけど、たぶん知らず知らずの間に仁菜子と蓮のバランスを取れていたと思いました。

福士:初対面だと気を遣って、演じていてもそういう部分が出てしまう気がするのでそれがないぶん、演じやすかったです。


「お芝居の根本をあらためて気づかせてもらいました」


S__6685023――廣木監督(「余命1ヶ月の花嫁」「100回泣くこと」)の現場で経験した感想や印象はいかがでしたか?何度もNGを出してしまったシーンなどはありましたか?

福士:映画の最初の方に“ストレートティーを持ってすれ違う”という1秒もない一瞬のシーンがあるんですけど、あれは10回以上やったかな?監督から「はい、もう1回」「はい、もう1回〜」と言われて、「どう直したらいいのかな」と思いながら毎回違うパターンで色々試してみたんですけど、結局どれが使われたのか僕もわからないんです。OKカットが使われたとも限らないので(笑)。でもそれは監督の狙いで、役者が前の役をひきずっていることがあったりするから何度もテイクを重ねるらしいんです。
蓮の動き、歩き方を繰り返すことで僕に蓮を染み込ませてくれているのかなと思いました。廣木監督は感情を読み取るのが得意な方で、特に今回は自分のやりたいことを言わなくても察してくださる方だったのですごくやりやすくて勉強になりました。

有村:監督って「仁菜子はこういう気持ちなんだよ」とかは言わないんですよ。アドバイスはくれるけれどそれ以上の指導などはなくて。自分達で動いて、気づいて演じていくというスタンスがすごくやりやすかったです。

――「ストロボ・エッジ」に出演したことで、自分自身発見したことってありましたか?


有村:今回、監督が最初に「お芝居は引き算だから」という言葉をおっしゃっていたんです。その言葉は今、私がお芝居をする上ですごく大事にしている言葉です。お芝居の根本を知れたというか、あらためて気づかせてもらいました。

福士:自分が「演じづらいという状況がすべて悪いことじゃない、その状況をいかしていけばいいんだ」ということを今回、監督から気づかせてもらいました。蓮が仁菜子に告白するシーンは普段あまり喋らない彼が自分の意思をたくさん喋って伝えていて、自分的にはやりづらかったんです。でもいつもと違う蓮らしくない所を大切に扱ってみると意外とうまくいくということを今回学ばせてもらいました。やりづらいからダメだった、ではなくて、やりづらいならやりづらいなりの意味があったりすると思うので、やりづらさを「肯定する」ことができるようになりました。


「肩にもたれて寝てるシーン…微妙な時間の空気感が好きでした」


――印象に残っているシーン、好きなシーンを教えてください。

有村:仁菜子が電車の中で蓮君の肩にもたれて寝てるシーンが好きですね。結構長い時間撮っていて、芝居始まるかな?と思ったらまだだったり、その微妙な時間の空気感が好きでした。

福士:僕はやっぱり仁菜子が「見送るよ!」って階段を駆け下りてくるシーンが好きです。原作も好きなんですけど、今回も、まさに(有村さんが)ピッタリなんです。あのシーンが好きです。


――他にも今回は今話題の“壁ドン”の上をいく、注目のバックハグのドキドキシーンがありますね。

福士:あれは今回の映画の「キュンポイント」ですからね(笑)。

有村:恥ずかしかったですよね。

福士:恥ずかしかったです。照れました。

有村:やっぱり後ろから来るっていうのがドキドキしますよね

福士:顔が近いからとか?

有村:距離が近いからドキドキしました。3、4回は撮りましたね。