いよいよ明日は大晦日。仕事や大掃除もひと段落して、やっとのんびりできる…なんて人も多いはずです。日本では、年末年始に「年越しそば」や「おせち料理」を食べる風習がありますが、これらの食べ物は英語ではどう言うのでしょうか?

今回は年越しそばや大掃除、除夜の鐘など、年末年始にまつわる英語フレーズをご紹介します。

年越しそばを英語で言うと?

江戸時代から始まったとされる年越しそば。「細くて長いそばで、寿命や家運を伸ばす」「(切れやすいそばのように)一年の苦労や厄災をさっぱり断ち切って新年を迎える」など、由来はさまざまです。

地域ごとに出汁や具材、麺などが異なる「年越しそば」。

日本の食文化に深く根付く年越しそばは、英語で「buckwheat noodles eaten on New Year's Eve」。日本特有の食べ物であるため、和名のまま「Toshikosi-soba」と使われるケースもみられます。

海外の人に年越しそばについて説明するときは、「for good luck(縁起を担いで)」などの説明を付け加えてあげると伝わりやすいでしょう。

★キーワード
Buckwheat:そば粉

「おせち」の準備も年末のお決まり

豪華なおせち料理も、新年の始まりを告げる特別な料理のひとつ。年末に準備をするのが一般的ですが、なかには「12月中旬にはおせちの構成を考え、食材の値段が一気に上がる年末前に仕込んでおく」なんて人も。

そんな「おせち」は、英語で「Japanese traditional New Year's dish」。年越しそばと同様に、そのまま「Osechi」と言われるケースもあります。和名で伝える場合には、「Osechi is a Japanese traditional new year’s dish.(おせちは日本の伝統的な正月料理です)」などと説明してあげると親切ですね。

★キーワード
Dish:料理

除夜の鐘を英語で言うと?

「除夜の鐘」も、大晦日に耳にする日本ならではの文化。そのまま「Joya no kane」とも言えますが、英語では「The striking of the bell on New Year's Eve」となります。

例)“Joya” means New Year’s Eve.
(「除夜」は大晦日という意味です)

日本仏教では、お寺にある大きな鐘の音には悩みや苦しみを断ち切る力があるとされています。この鐘を鳴らす回数は、108回。人間が持つとされる“108個の煩悩”を断ち切り、新しい気持ちで一年をスタートできるようにとの願いが込められているのです(諸説あり)。

★キーワード
Striking:(鐘などを)打つ

年末の大掃除、英語圏では春にするもの?

一年間で溜まった不要なものを処分したり、隅々まで磨き上げたり…年末に大掃除をすると、なんだかスッキリした気持ちで新年を迎えられますよね。

日本では“大掃除=年末”とイメージされますが、欧米では「冬の間にたまった石炭汚れなどをきれいにする」という意味をもち、春に行うのが一般的です。そのため、大掃除は英語で「spring cleaning」となります。

例)Spring cleaning is a tradition to freshen up our homes.
(大掃除は私たちの部屋をさっぱりさせるための慣習です)

日本では2010年頃から広く認知された“断捨離”ですが、近年は欧米においても大きなブームに。片付けコンサルタントである近藤麻理恵さんの影響は非常に大きく、彼女の説く「こんまりメソッド」は多くの欧米人に受け入れられています。

★キーワード
Spring cleaning:大掃除
Tidy up:片づける
Clutter:散らかす

年末年始の伝統的な行いには深い意味がある

今年も「使える英語」シリーズを読んでいただきありがとうございました。2022年も、日常でふいに使いたくなるフレーズをたくさん紹介していきます!

改めて見てみると、日本で受け継がれている年末年始の習慣には、それぞれ深い意味があるとわかります。“なんとなく”ではなく、一つひとつの意味を考えながら行うと、大掃除やおせち作りもより楽しめそうですね。 今年も残すところ、ラスト1日。良い形で締めくくり、新しい年を迎えましょう。

文/山根ゆずか