タトゥーを入れた人の約9割が「後悔している」現実……それでも実行する意外な理由とは?
日本ではかつて“反社会的組織の象徴”といわれた「入れ墨(タトゥー)」。しかし海外では日本ほど抵抗感がなく、ファッション感覚や宗教上の理由、さらには社会的メッセージや民族古来の風習など、タトゥーを入れる理由はさまざまです。その影響もあり、日本人でも海外の感覚と同じようにタトゥーを入れる人が増えている印象ですが、日本人のタトゥーに対する意識は、実際のところ変化が見られるのでしょうか?
20代男子のタトゥー率、まさかのゼロパーセント!
美容外科「東京イセアクリニック」では、20代から40代の男女に「タトゥー・入れ墨への認識・イメージに関するアンケート調査」を実施。まずは実際にタトゥーを入れている人や、「入れたい」と思ったことがある人の割合を調べています。
日本人の8割以上は「タトゥーを入れたいと一度も思ったことがない」現実。入れたい派にはまだまだ生きにくい世の中です。
「思ったことがあるし、実際に入れている」と答えた人は、全体でわずか3.1%。8割以上は「願望なし」でした。さらに性別と年代別にも同様の調査も実施していますが、興味深い結果に。
男性/年代別
・思ったことがあるし、実際に入れている 20代0% 30代 1.6% 40代 1.8%
・思ったことがあるが、結果入れなかった 20代13.6% 30代13.1% 40代12.7%
・一度も思ったことがない 20代86.4% 30代85.2% 40代85.5%
女性/年代別
・思ったことがあるし、実際に入れている 20代 5.2%、30代6.6%、 40代3.6%
・思ったことがあるが、結果入れなかった 20代29.3% 30代16.4% 40代7.1%
・一度も思ったことがない 20代77.0% 30代77.0% 40代89.3%
実際に入れている割合が一番多いのは30代女性。逆に一番少ないのは20代男性で、まさかのゼロでした。タトゥーは若い世代に抵抗感がないイメージがありましたが、20代はむしろ、願望はあっても実行する人が少ないようです。
タトゥーを入れる理由のトップは「なんとなく」
少数派ではありますが、同調査ではタトゥーを入れたいと思った人に、その理由を尋ねています。その結果はこちらです。
「パートナーの影響」という人が意外と多いですが、別れた時のことを考えてしまう人は、そもそも入れることすら検討しないのかもしれません。
1位の「なんとなく」(72.3%)をはじめ、全体的に軽めの理由が多い結果に。海外のように「社会的メッセージ」や「宗教上の理由」といった、ポリシーを持って入れている人はあまりいないようです。日本だと未だに抵抗感を持つ人も少なくありませんが、実際入れた人は後悔していないのでしょうか?
同調査では「タトゥーを入れたいと思ったし、実際に入れた人」と「過去にタトゥーを入れたいと思ったけど、結果入れなかった人」それぞれに、タトゥーについて思うことを尋ねています。
タトゥーを入れたいと思ったし、実際に入れた人
実際に入れてしまって後悔……90.9%
実際に入れて満足……9.1%
なんとも思わない……0%
過去にタトゥーを入れたいと思ったけど、結果入れなかった人
入れなくてよかった……96.3%
あのとき入れておけばよかった……3.7%
なんとも思わない……0%
なんと、実際に入れた人の9割が入れたことを後悔し、入れなかった人の9割以上が「入れなくてよかった」と思っているそう。一体なぜ、それほどタトゥーが受け入れられないのでしょうか?
調査を行なった「東京イセアクリニック」では、タトゥー除去に関する問い合わせが毎月100件以上寄せられるそう。そのキッカケとなるのは「就職活動のため」「就職、結婚、出産するから」といった人生の節目。さらには「世間体もあるから」と、加齢とともにタトゥーを消す除去手術を検討する人が多いそうです。つまり日本ではタトゥーがあることで、いまだ就職や結婚、出産などに影響を及ぼす現実があるといえます。
有名アーティストやスポーツ選手が入れているタトゥーはカッコいいですが、自分がやるのは話が別?
とはいえタトゥーを入れている人や、外国人のタトゥーを否定したり、施設の利用を拒否するのは、はたして観光大国を目指す日本にとって正しい姿なのか?最近ではそんな問題も考える必要があります。そんな中、最近は温泉施設の利用客にタトゥーがあった場合、シールでカバーすれば入浴可能なところも増加しているそう。とはいえ日本人にあるタトゥーに対する抵抗感の根強さが解消されるのは、もう少し時間がかかりそうです。
【調査概要】
調査媒体:美容外科「東京イセアクリニック」
調査期間:2017年9月12日〜 9月13日
調査対象:国内在住の20代〜40代の男女350名
調査方法:インターネット調査