人事担当者に「会いたい」と思わせる。基本をきっちりおさえた提出書類を書くコツは?

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3月〜4月は一般的に、中途採用の募集が多くなるといわれているそう。今まさに、転職に向けて活動中…という人もいるかも。その第一関門は、履歴書と職務経歴書の提出だけれど、正しい書き方か、自信はある?

働く女性のアドバイザー的存在として多数の著書を持つ有川真由美さんは、「私が人事担当者として働いていたときに受け取った履歴書は、文字が雑だったり、ひとりよがりな内容であったり、自己流なものが多かったように思います」と話す。

上手な履歴書の書き方はラブレターと同じ、と有川さん。つまり、自分に興味を持ってもらい、一度会ってもらうためには、信頼できるという印象と、会社にメリットを提供できる存在であると伝えることが重要とか。そこで、よい履歴書の書き方について詳しく教えてもらった。
◆相手が読みやすいように書く

まずなにより大切なのは、丁寧な字で情報のもれがなく書くこと。当たり前のようでいて、これができていない履歴書がとても多いのだとか。字のきれいさに自信がない場合も、せめて丁寧に書けば、「信頼できる人だ」という印象が伝えることができる。

「文章自体の読みやすさも配慮すべきですが、自分で書いた文章を客観的にチェックするのは難しいかもしれません。そんなときは、家族や友人にチェックしてもらい、わかりにくい部分はないか、率直な感想を聞いて調整するといいでしょう」(同)

◆志望動機は自分の言葉で具体的に書く

履歴書の文例集にある例文を引用したかのような文面では、人事担当者に自分の思いを伝えることは難しい。志望動機には、相手の会社のなにに魅力を感じているのか、そこでどんな職務に携わりたいのか、どんなことを達成できるのか…などを、自分の言葉で具体的に書こう。

「ただし、長すぎる文章は、読み手のことを考えていない自意識過剰な人だという印象を与えてしまいます。読み手に負担をかけないように150字以内にまとめましょう」(同)

◆相手の目線に立って書く

人事に「会ってみたい」と思わせるためには、自分のどんな経験や実力が相手の企業にどう役立つのか、わかりやすく相手のメリットを職務経歴書で示すのがポイントだとか。

「それまで携わった仕事でどう信頼を得てきたか、その根拠となる成果や周囲からの評価などを具体的に記入する必要があります。そのためには、これまで仕事でもっとも多く評価されたことと、なぜ評価されたのか、その理由を自己分析しておくといいでしょう。そのエピソードが、信頼を得たことの裏付けとなります」(同)

まずは、基本的なポイントをしっかり押さえたうえで、相手の心を動かす履歴書や職務経歴書を書く工夫を。転職活動を成功させるために、じっくり考えてみて。

有川真由美
作家・写真家。化粧品会社事務、塾講師、科学館コンパニオン、衣料品店店長、着物着付け講師、ブライダルコーディネーター、フリーカメラマン、新聞社広告局編集者など、多くの職業経験を生かして、働く女性のアドバイザー的な存在として書籍や雑誌などに執筆。40か国以上を旅し、旅エッセイも手がける。著書は『「働く女(ひと)」の77のルール』『いつも仕事がうまくいく女の41のリスト』(以上、PHP研究所)ほか多数。