◆「この職業はムリ」男性をお断りする理由に仰天

由美さんがペアーズでマッチングした30歳男性を見せてもらいました。メッセージ内容が丁寧な印象の男性でした。年収は「400〜600万円」とあります。

「でも、この人って仕事が販売なんですよ。大学は卒業しているっぽいけど、販売って大卒じゃなくてもできるし。大学院卒で年収640万円の私と釣り合うかなと思って」
「え? 販売職だからって理由で?! 何の販売かって聞いたんですか?」
「何も聞いてないです」
「ファーストリテイリングとか大企業かもしれないし、販売もちゃんとしたお仕事だと思いますけど」

優しい男性を希望するわりに、ご自身は割と浅ましく、男性を条件でバンバン切っているのです。由美さんの考える“普通の男性”が仮に婚活していたとしても、人気があるのでライバルは多いでしょう。

人気がある男性は「品定めされる」ことにとても敏感で、心が広くて品定めしない女性か、品定め感をきれいに隠せるあざとい女性に刈り取られてしまいます。

◆賢い女性が全然知らない、自分の市場価値

「釣り合いっていうけど、それは由美さん側の希望ですよね。男性から見たら女性の学歴や年収って『高くてもいい』ぐらいで、よほど低所得なら別ですけど、由美さんが大学院卒だからという理由で選ぶってことはないです。女性の場合、人気に大きく影響するのが外見と年齢ですから。大学院卒だから販売の男性が釣り合わないっていうのは相手側の希望が考慮されてないんですよ」
「そうですか。でも母が納得するかどうか」
結婚するのはお母さんじゃなくて、ご自分の結婚ですよね。親が過干渉で実家とべったりで自立していないなら、それは婚活においてマイナスなんですよ」

由美さんは、自分が結婚したい男性がものすごく人気のタイプで、それに引き換え自分の立ち位置はさほど人気があるわけじゃないことを、受け入れてくれました。

自分の娘が30代でも非モテでも、親御さんが「医者や弁護士くらいじゃないと、この子とは釣り合わない」と勘違いしているケースは多いのです。

私も小売り出身ですが、確かに「大卒なのに」って言ってくる人はいました。販売って「低学歴でもできる」ではなく、「座学の勉強では身につけにくいコミュニケーション力が成績に影響する」が近いのではないでしょうか。

※個人が特定されないよう一部脚色してあります。
<文/菊乃>

【菊乃】
恋愛・婚活コンサルタント、コラムニスト。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活を綴ったブログが「分かりやすい」と人気になり独立。ご相談にくる方の約4割は一度も交際経験がない女性。著書「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。Twitter:@koakumamt