仕事が暇で仕方がないとき、どんな風に1日を過ごせばよいのでしょうか?暇な時間を無駄に過ごせば、成長の機会を失います。『暇な原因』を明らかにした上で、何をすべきかを考えてみましょう。将来につながる『暇な時間の過ごし方』を紹介します。

仕事が暇でつらくなる理由

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世の中には、『仕事が忙しくてつらい』という人がいる一方で、『暇すぎてつらい』という人もいます。

「楽にお給料がもらえて羨ましい」と思われそうですが、『暇』は決して良いこととはいえません。暇で仕事がつらくなる三つの理由を見てみましょう。

暇疲れしてしまうから

楽しい時間は一瞬ですが、退屈な時間は異様に長く感じてしまうものです。仕事が暇でつらい人は、会社で過ごす時間がとてつもなく長く感じられ、『暇疲れ』してしまうことがあるようです。

プライベートであれば、散歩をしたり、昼寝をしたりと、暇な時間を好きなように使えます。しかし、就業時間中では好き勝手するわけにもいかず、自分の席に座っていなければならないのが実情です。

暇疲れは肉体より精神的な疲れの方が大きく、「何もしていないのになんとなく疲れている」という感覚をもたらします。

集中できる何かがないと、ネガティブなことや無駄なことばかりが頭に浮かび、気分も落ち込んでしまうでしょう。

周囲と比べて焦るから

多くの人は仕事を通して小さな成功体験を積み重ね、自信をつけていきます。がむしゃらに仕事をすることで自然とスキルが磨かれ、これまでよりも多くのことがこなせるようになるのです。

仕事が暇だと、成長するための機会がありません。「自分はこのままでいいのだろうか?」「成長していないのではないか?」という焦りが出てきて、会社にいるのがつらくなってしまうようです。

暇な会社では経験やスキルが蓄積されないため、いざ転職しようとしてもうまくいかない可能性があります。

『仕事をやりぬく力』や『対人スキル』などの基本的な能力が身に付いていなければ、転職できたとしても苦労するでしょう。

やりがいを感じられないから

仕事で必ずしもやりがいを見つける必要はありませんが、会社は1日の大半を過ごす場所です。暇で何もやることがないと、心が満たされず、張り合いがなくなってしまうでしょう。

仕事のやりがいは、『将来性』『報酬』『他人からの評価』がベースとなっています。

仕事が暇な人は、「自分は何の役にも立っていない」「スキルアップできないから、給与も上がらない」「将来が見えず、これから先が不安」といった気持ちを抱きやすく、モチベーションを維持できません。

仕事が暇になる原因

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仕事が暇になる原因には『自分に問題がある場合』と『会社に問題がある場合』があります。

会社全体の問題を個人の力で変えることは難しいですが、自分に問題がある場合は、努力次第でいくらでも状況は変えられます。

自分に問題がある

『自分だけに仕事が回ってこない』という状況であれば、自分自身に問題がある可能性があります。仕事に対して受け身で、与えられた仕事だけをこなしていればいいという考えの人は、暇になりやすいようです。

暇でつらいのであれば、仕事の完了を上司に報告し、次の指示を求めましょう。もっと仕事がしたいという気持ちを素直に伝えれば、暇で悩むことはなくなるはずです。

他にも、ミスが多い人やホウレンソウ(報告・連絡・相談)をしない人、コミュニケーションに問題がある人は、必要最低限の仕事しか割り振ってもらえないでしょう。

このような人は、自分がどういう理由で仕事を振られないのかを見つめ直し、改善するよう努める必要があります。

全体的に仕事量が少ない

自分だけでなく、ほかの社員も暇な時間が多い場合は、そもそも全体の仕事量が少ないことが考えられます。

繁忙期と閑散期がはっきりしている会社では、『暇なのは一時期だけ』というケースもあるでしょう。

近年は、システム化による業務の効率化が進んでいます。人の手をかける必要がなくなったり、データを自動的に作成できるようになったりすれば、一人一人の仕事量は減っていくと考えられます。

こうした会社では近い将来、労働時間の短縮や人件費削減などの措置が取られるでしょう。人員過剰となっている部署から、抱える案件が多い部署への異動もあり得ます。

仕事の暇つぶしにできること

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仕事の暇つぶしといっても、私的な読書や居眠り、同僚とのおしゃべりなどはNGです。

会社にいる限りは給料が発生しているため、マニュアル作成やフォルダ整理といった『仕事に関連性のあること』をするのが基本です。

フォルダや身辺の整理整頓

1〜2時間の空き時間があれば、フォルダや資料の整理整頓を行いましょう。

パソコンのデスクトップがファイルやフォルダでいっぱいになると、PCの起動速度や作業効率が低下します。見た目もごちゃごちゃしているため、『仕事ができない人』という印象を持たれかねません。

事実、必要な資料がすぐに見つからなかったり、重要なファイルを誤って削除してしまったりといったトラブルにもつながります。

ペーパーレス化が進んでいる会社は増えていますが、紙ベースで資料を管理しているところも少なくありません。いらない書類はシュレッダーにかけ、必要なものだけをファイリングしておきましょう。

業務の見直しやマニュアル作成

仕事が暇な人の多くは、毎日同じ作業の繰り返しをしているのではないでしょうか?

既にルーティーンワークとなった事務作業でも、新人に教えるつもりでやってみることで、問題点や改善点、新たな気付きが出てきます。

特定の人が一つの仕事を長く担当していると、その人しか業務のやり方が分からない状態、すなわち『業務の属人化』が起こります。自分が業務から離れた場合のことを考えて、暇な時間に『マニュアル』を作成しておくのもおすすめです。

マニュアル作成の目的は『業務を円滑に引き継ぐため』ですが、作成作業を通して日々の業務を客観的に見直すこともできます。

繁忙期に備えた前倒し作業

閑散期と繁忙期が明確な場合は、先回りして作業を進めておきましょう。繁忙期のキャパオーバーを回避できる上、予定外の仕事にも柔軟に対応できます。

多忙になると、どうしてもケアレスミスが増えてしまいます。しかし、前倒し作業をしておけば、見直しの時間を確保することも十分可能です。

部署によっては、繁忙期に企画書や提案書、プレゼン資料などを作らなければならないところもあるでしょう。

暇な時間を利用してネタ集めをしたり、フォーマットを作成したりしておけば、パフォーマンスの向上につながります。

暇な時間にできるスキルアップ

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『就業中に業務以外のことをするのはNG』という会社がある一方で、資格取得やスキルアップのための勉強を容認している会社もあります。

暇な時間を何もしないで過ごすよりも、スキルアップをして会社に貢献する方が、自分にも会社にもプラスになります。

業務に関連する資格の勉強

『会社で推奨している資格』や『資格手当の対象とされている資格』があれば、暇な時間を使って積極的に勉強をしましょう。

例えば、人事部の社員が『社会保険労務士』の資格を取得すれば、業務の幅が大きく広がります。不動産業界では、国家資格の『宅地建物取引士』が重宝されるでしょう。

会社によっては、奨励した資格を取得した場合、数千円〜数万円の『合格奨励金』や『資格手当』を出すところもあります。

ただし、会社が資格取得の勉強を認めているのは、生産性の向上や業務の効率化が期待できるためです。業務に全く関係ない資格や、転職のための準備は基本的にNGと考えましょう。

PCスキルを磨く

業務に関連して、PCスキルの向上を目指すのもおすすめです。『エクセル(Excel)』『ワード(Word)』『パワーポイント(PowerPoint)』は事務作業における基本のツールといえます。

何となくしか使えないという人は、機能や使い方をマスターして業務の効率化につなげましょう。

エクセルの場合、ピボットテーブルやエクセルマクロなどが使えるようになると、「この人は仕事ができる!」と一目置かれるようになります。

業務の効率化につながるのであれば、これまで使ったことのないソフトやアプリを取り入れてみるのもよいでしょう。

仕事の幅を広げる

「暇な状況から脱却するためには転職しかない」と考える人もいますが、転職を検討する前に、自ら上司に相談して仕事の幅を広げることもできるでしょう。

ただ、一段上の仕事を任せてもらうためには、上司との良好な関係性を構築しておく必要があります。上司との折り合いが悪かったり、コミュニケーションが極端に不足していたりすると、仕事があっても任せてはもらえません。

普段からしっかりとコミュニケーションを取った上で、「商談に同行させていただけませんか?」「手伝わせてください」と意欲を見せましょう。

仕事が暇でもしてはいけないこと

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いくら仕事が暇だからといって、就業中にすべきではないことがあります。自分の評価が下がるだけならまだしも、職場全体に悪影響を与えてしまうでしょう。

代表的な三つのNG行為を紹介します。

私用でスマホをいじる

業務中に、私用でスマホをいじるのはやめましょう。動画視聴やアプリゲームはもちろん、友達のSNSに頻繁に返信をするのもNGです。

完全な内勤事務であれば、業務中にスマホは必要がありません。デスクの上に置いておくだけでも、仕事に集中していないと判断する人がいるため、置き場所や扱いには十分な注意が必要です。

緊急性のある私用LINEや私用電話は認めるところもありますが、会社で私用のスマホを自由に使えるのは、基本的に『休憩時間のみ』です。

会社のPCでネットサーフィン

暇なときにやりがちなのが、会社のPCを使ってのネットサーフィンです。業務に関する検索は問題ないですが、私的な利用は認められていないのが一般的です。

PCやインターネット環境は会社の所有物であって、個人のものではありません。就業時間中に個人的な趣味のためにネットを使う行為は、ルール違反といってよいでしょう。

セキュリティ対策が整えられている会社のPCであっても、ネットサーフィンでいろいろなサイトにアクセスすると、ウイルスに感染して個人情報が流出する危険性が高まります。

会社によっては、閲覧履歴を定期的にチェックしているところもあるので、暇つぶしのネット利用は控えましょう。

何もせずダラダラ過ごす

ネットサーフィンやスマホの私的利用が不可となると、何もせずにダラダラ過ごす人が増えてしまいます。

本人は、「やることがないのだから仕方がない」「遊んでいるわけではない」と思っているかもしれませんが、周囲にとって迷惑です。

そもそも、何もせずに過ごす人の多くは、上司に「何か手伝うことはありますか?」と声を掛けることもなければ、スキルアップに励もうとする意欲もありません。

『居眠り』『私語』『長時間の離席』はもちろん、『自分から積極的に動かないこと』も人事評価ではマイナスポイントとなります。

まとめ

職場では、自分にできる仕事はないか探す姿勢が大切です。与えられたものをこなすだけでは、いつまで立っても暇な状態から抜け出すことはできません。

業務関連の勉強が認められているのであれば、自分なりの目標を立てて資格取得を目指すのもありです。業務の前倒し作業をしたり、マニュアルを作ったりするのもよいでしょう。

自ら積極的に仕事を探す姿勢を忘れないようにしましょう。