家賃32万のタワマンに、女1人で…?男が驚愕した、彼女が恋人についていた嘘
―絶対に、してはならない。
禁じられるほどしたくなるのが人間の性。それを犯した人間に、待ち受けているものとは…?
▶前回:「今日彼女いなかったら、お泊りに行ってもイイ…?」浮気発覚後、開き直った男の驚愕の言動とは

本日のパンドラの箱:付き合いたての彼女を尾行してみたら…
◆
小さな顔に、バランス良く配置されたパーツ、線の細いボディライン。
触れれば壊れてしまいそうなほどに華奢なのに、ひとたび話すと芯の強さが垣間見られる。
大手金融機関で働く玲奈とは、共通の友人を介して知り合った。
何度か食事に行き、2度ほど僕のうちへ泊りにきただけ。
だが、彼女からもしっかりと好意を感じられるし、関係に問題はないと思っている。
けれど、…ずっと気になっていることがある。
彼女は自分の仕事の話をあまり詳しく話さない。まだ知り合って間もないから警戒されているのか、もともと話さないタイプなのか。
それともう一つ。
「玲奈、今日このあとどうする?」
「う〜ん、明日早いし、今日はもう帰ろうかな」
四ツ谷に住んでいるという彼女は、なかなか家に呼んでくれない。また今度ね、とはぐらかされて2か月がたつ。
僕の思い過ごしならよいのだが…。
なぜか胸騒ぎがした僕は、玲奈が何か隠しているのか、その正体を掴もうと彼女を尾行することにしたのだ。
そして、玲奈が隠していたとんでもない秘密を目の当たりにすることとなる…。
デート後に、彼女を尾行。玲奈がたどり着いた、思わぬ場所とは…
銀座で食事をした僕たちはその日、それぞれ電車で帰宅することにした。
四ツ谷に住む玲奈は丸の内線へ、品川に住む僕は山手線へ向かうために、銀座一丁目で別れた。…ふりをして、僕も彼女から少し距離をあけ、丸ノ内線駅構内へと向かった。
僕と別れたあとの彼女は、(当たり前といったら当たり前なのだが)無表情で、どこか疲れたような様子。
そして電車に乗ると、僕が送った『今日は楽しかったね』というLINEを未読にしたまま、玲奈は眉間に皺をよせながらスマホに集中している。
―…玲奈は一体なにを読んでいるのだろう。仕事のメールか何かだろうか…。
気づかれないよう、かなり距離をとって彼女の様子を伺う。玲奈の表情までは分からないものの、スマホと顔の距離感から、その真剣さは読み取れた。
そして、銀座から3駅目、赤坂見附に到着すると、彼女は慌てて電車を降りたのだ。
…おかしい。彼女の最寄りは1つ先、四ツ谷のはず。
嫌な予感があたってしまったわけだが、僕の尾行には意味があったらしい。僕もギリギリで降車し、あとを追った。
―…もしかしたら、運動不足解消のために1駅歩くのかもしれない!
恋人を尾行する。
言葉にすれば、そのあまりにも不穏な行為を、少しでもポジティブな、…少なくともネガティブではない妄想でかき消すも、彼女はそれをすぐに裏切る。
彼女が駅を出て歩き出したのは、四ツ谷ではなく青山一丁目方面だったのだ。
勝手に一喜一憂したすえに何かを諦めた僕は、とにかく彼女が隠している真実を知りたいと、あとを追い続けた。
すると、玲奈はあろうことか高層マンション群が聳え立つエリアに足を踏み入れ、慣れた足取りで、とあるタワマンへと入っていったのだ。

尾行しておきながら、そのあとどうするかを僕は考えていなかった。
彼女がエントランスのオートロックを開けたところで、僕は焦った。このままでは、彼女はこの高層ビルへと吸い込まれて行き、何を隠しているのか、わからないまま。
「…玲奈」
ほんの一瞬であれこれと考えを巡らせた結果、僕は咄嗟に彼女の名前を呼んでしまったのだ。
「…え、なんでここに…」
驚いた表情を見せた彼女は、しばらくすると気まずそうな表情をこちらに向けた。
とあるタワマンのエントランスで佇む玲奈。彼女が隠していた真実
「…どうして?」
「…あ、ちょっと近くに用事があって…」
「近くに用事?」
尾行、一歩間違えれば通報されかねない行為だ。
けれど、咄嗟にうまい嘘をつけるほど器用ではない僕は、観念して玲奈にすべてを話した。彼女だって嘘をついていたのだから。お互いさまだろう。
「…いいわ、とりあえず入って」
彼女に促されるがまま、僕は彼女と一緒にエントランスをくぐった。玲奈のヒールが大理石の床をコツコツとならし、反響した音に天井の高さを思い知らされる。
僕の北品川にあるワンルーム11万円のマンションとは、漂う空気が違う。
男と暮らしているのか。パパに借りてもらっているのか。いや、実家なのか?様々な憶測を巡らせながら、エレベーターはぐんぐん昇っていく。
19階の部屋にはいると、そこは眺めの良い1LDK。玲奈は1人暮らしだった。
「ここって…?」
「私の部屋よ」
神宮球場が見渡せるその部屋は、家賃32万円もするという。シュークローゼットには、ルブタンやらジミー・チュウなど、僕でも知っているブランドものがずらりと並び、リビングにはバーキンもあった。
「…玲奈、これって?」
「私、大手金融機関で働いているの。外資系の投資銀行。四ツ谷に住んでいるって嘘ついたのはごめんなさい。でも、あなたについた嘘はその一駅分それだけよ」
絶句する僕に、彼女は続けた。
「この職業と年収って、男性から引かれることが多くてね…。もっと仲が深まったら伝えようと思っていたの」
何か吹っ切れたかのように淡々と語る彼女は、いつもより早口で、その声はワントーン低い。けれど、どこか悲しそうな表情に見えた。

「…そうなんだ」
「…やっぱり、引いたよね?」
「いや、驚いたけど…」
しばらくの沈黙ののち、僕は彼女にこう言った。
「玲奈の本当の姿を知ったら。僕は離れていくと思ったの?」
「…わからない。だけど、自分より年収の高い女性を恋愛対象から外す男性って多いでしょう?なんていうか一般的なはなしだけど、男性は自分よりスペックが高い女性に対して、劣等感を感じるというか引け目を感じることが多い気がするの」
「…いや、別にスペックとか劣等感とか、とくに気にしてないけど…」
今日は一旦帰る、そう言って僕は彼女に見送られ、家路についた。
◆
…それからすぐ、彼女とは別れてしまった。
彼女のその生活ぶりとその職業から推定される年収、彼女の仕事に、たしかに驚いた部分はあったし、彼女はそれが破局の理由だと思っているだろう。
けれど、それは違う。
僕だって日本を代表する大手食品メーカーで、誇りを持って営業の仕事をしている。自分の仕事を卑下する気持ちなんてサラサラない。
それなのに彼女は、僕が劣等感や引け目を感じるんじゃないか、そう危惧していたのだ。それって、よくよく考えれば、彼女が僕のことを少し下に見ていたということなんだと思う。
気を使ってのことだったのかもしれないけれど、玲奈は自分の仕事や生活を僕に隠していた。それが何よりもの証拠な気がした。
玲奈が変に何かを隠したりせず、フラットに接してくれたら、きっと僕だって彼女との付き合いを続けていたと思う。
でも、僕が彼女のことを尾行したことで、彼女の本心を知ることができた。早いこと、気づけて良かったと思っている。後悔はしていない。
玲奈「あえて悪者になった」
彼は、私の職業や生活振りを、「特に気にしていない」と言った。
それが本心かはわからないけれど、彼はデートの度に、私によくこうも言っていた。
『ここは男の僕に奢らせて』
本当に、何気ない一言だったけど、私は聞き逃さなかった。無意識な発言だからこそ、自分でも気づいていない本音が、そういうところにあらわれるのだと思う。
これは、私の経験則だけれど、『男の僕に』、『女の子は…』という類の言葉を何気なく使う男性は、自分より稼ぎが良かったり、職位の高い女性に対して、引け目を感じることが多い気がする。
中には、引け目を感じているという事実にすら気づいていない、自分はそんなことを気にするような男じゃないと、去勢を張る男性すらいる。
彼は、正にそのタイプの男だと思った。
彼の普段の言動、私の部屋に入ったときの視線や歪んだ表情が、それを物語っていた。
私は、はっきりと、男性より収入が高いことに対しての引け目を感じている。だからこそ、それを気にしない、フラットに考えてくれる男性じゃないと、絶対にどこかで関係がこじれてしまうと思っているのだ。
だから、スムーズに別れる流れになるよう、自分が悪役に徹し、あえてスペックとか劣等感とか、彼の本心を刺激するワードを出してみた。
案の定、ほどなくして彼は私に別れを切り出してきて、また一つの恋が終わった。
骨の折れる作業だけれど、いい関係を築ける男性を探すには、私にとっては必要なステップなのだ。
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